歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

広告

国立劇場 社会人のための歌舞伎鑑賞教室 「魚屋宗五郎」

こんばんは♪

昨日はお仕事帰りに国立劇場へ参りまして「社会人のための歌舞伎鑑賞教室 新皿屋敷月雨暈―魚屋宗五郎―」を見てまいりましたヾ(。・ω・)ノ 「社会人のための」と題してあるようにお仕事帰りにも立ち寄ることができる19時開演の公演で、客席は大人の方々で大盛況でした!

 

国立劇場では歌舞伎鑑賞教室と題して、解説コーナー付きで格安の公演を毎年開催しています。学生の方はなんと、驚きの全席1300円でございます!学生の皆様この機会にぜひお出かけくださいね(´▽`)

萬太郎さんの完璧な解説

鑑賞教室では、本編前に「歌舞伎のみかた」と題した解説コーナーがあります。今回は、私と同世代の中村萬太郎さんが解説をお勤めです!

えっ…これはもしやテレビの収録なのだろうか、NHKの番組なのだろうか、と思ってしまうほどに淀みなくスラリスラリとお話しなさる萬太郎さん。大変わかりやすい解説で、萬太郎さんは本当に器用な方なのだなぁと驚いておりましたΣ('0'o)

楽しみになさっている方もおいでかと思いますので詳しくは伏せますが、今回の「歌舞伎のみかた」では実際に拵えをした役者の方々による実演があり、歌舞伎ファンにはよくわかる小さなネタも交えてあったりと、初めての方にも熱心な方にも楽しいものでした!

鑑賞教室でいただいた品物

鑑賞教室ではあらすじ・解説・インタビューなどが載っている冊子と上演台本が無料で配布されています!冊子は入口で手渡ししてくださるのですが、上演台本は少し中に入ったところで平積みにされているのでご注意くださいね(人'v`*)

 

f:id:suehirochan:20160611210919j:plain

 

初めて歌舞伎をご覧になる方にとって「セリフがわからないのでは」という点はとても大きな心配事なのではないかなと思います。台本が手元にあれば安心ですし、おうちに帰ってからも振り返ることができますよね。

国立劇場では鑑賞教室以外でも500円程で当月公演の上演台本を販売していますので、観劇のおともにどうぞ♪

 

このすえひろは魚屋宗五郎が大好きなので、国立劇場のマニア本「上演資料集」を購入してしまいました(*´艸`) 上演資料集も各公演ごとに販売されているのですが、芸談や論文、明治時代からの上演年表などが載っておりもっと知りたい!という方にはとてもオススメです! 

f:id:suehirochan:20160611211042j:plain

 

魚屋宗五郎の世界

「魚屋宗五郎」のお話の内容を簡単に申しますと、妹が無実の罪で殿様に殺されたということを知った宗五郎が、どうにもやりきれない思いで禁酒の誓いを破って酒をあおり、酔った挙句に暴れまわって殿様の屋敷に殴り込みに行くというものです。

酔って暴れるまでの様子が愉快でいつも客席からは笑い声がたくさん聞こえてくるのですが、私にはその可笑しさがどうにもやりきれないほどに悲しくてたまらないのです。

江戸の市井の人の暮らしの中にごく自然に漂っていたであろう身分差が生み出す哀しさや生まれのみじめさを、こんなにも何層にも奥行きを持たせ笑いすら交えながら描くという作劇方法には圧倒されてしまいます。

深読みをしすぎかもしれませんが、私は宗五郎の姿を見ていると目頭が熱くなってきます。。

 

そこまでの深読みはせずともわかりやすく、現代の私たちも共感しやすい「魚屋宗五郎」はたしかに初めての歌舞伎にぴったりかもしれませんね!

今月の鑑賞教室は24日までですので、ぜひお出かけくださいヽ(。>▽<。)ノ

 

Copyright © 2013 SuehiroYoshikawa  All Rights Reserved.