歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブンで感じた邦楽のちから

こんばんは♪

昨日はシアターコクーンにて

松尾スズキ作・演出の「ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン」を立ち見で見てきました!

 

阿部サダヲさん演じるベストセラー作家の永野は、

宗教上の過激派に人質として拘束された先輩を助けるために

内戦中の架空の国・ジャワンガスタンに渡りましたが

そこで出会った岡田将生さん演じる少年売春の美少年トーイに魅せられてしまうのでした。

危険地帯に立ち入った夫を探して、

寺島しのぶさん演じる女優の妻は一路ジャワンガスタンへ…

というのが大筋の流れです。

 

随所で大笑いしながらも、青ざめるような感覚がずっと続く物語で

幕切れにはゾッと身のすくむような思いをし

処理しきれぬ重みといまだ戦っております。

ものすごくおもしろかった、でもものすごく怖かったというのが感想です。

舞台の上はまるっきり異世界なのですが、現実に世界のどこかで毎日起きていることだというのもわかっています。

この怖さというのはホラー的な恐ろしさとは全く違うのですが、

ホラー的恐ろしさだったらばどれほど楽だったろうと思わずにはおれません。

 

そしてなんと

この「ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン」では

邦楽と、義太夫的な語りが使われていたのですΣ('0'o)

この国の伝統音楽に則った音楽が異国ジャワンガスタンの世界を描き

登場人物の動向、心模様を描く語りが随所につけられていたていたわけですが

この効果が本当に素晴らしかったです…!

 

古典邦楽というものは単にメロディーを楽しむためでなく、

詞章で物語を語るために発展してきた歴史があります。

西洋のクラシック音楽と比べて楽器数も少なく音もシンプルですが、

人間の声と融合することによって

ドラマをより一層ドラマチックに伝える力があるのですよね。

どのような形であれ、芝居との相性抜群なのは必然です。

 

歌舞伎の舞台では効果音、BGMとして当然のように受け取っていますが

こうした芝居で邦楽が効果的に使われているのを見聞きし

 

ああ!邦楽ってなんてかっこいいんだろう!

松尾スズキさんはすごい!!

日本語っておもしろい!!!

邦楽って!!邦楽って!!!!!

 

という気持ちが爆発して、

大興奮いたしましたヽ(。>▽<。)ノ

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