今日は、ただいま上演中の八月納涼歌舞伎 第二部より「艶紅曙接拙(いろもみじつぎきのふつつか)」について、少しだけお話ししたいと思います!
「紅勘(べにかん)」という通称の演目です。
モデルは風変わりな男性
紅勘というのはこの踊りの主役・浅草の小間物屋紅屋勘兵衛のこと。
彼は青竹・味噌こし・しゃもじでこしらえた三味線を持っていて、太鼓やら笛やらを携え、三曲の芸をしながら町を歩いていたのだそうです。
物乞いというわけでもなく、とてもトリッキーな人物だったようですね。
そう思って見ると派手な出で立ちにも納得がいきます(*´艸`)
表記が変わります
「紅勘」という通称ですが、中村流では「紅翫」と表記します。
本などでは「紅勘」と書かれていることが多いのですがこれはもちろん誤りではありません。
今回の上演は橋之助さんが踊られ「紅翫」の表記でした。芝翫の翫なので覚えやすいですね(´▽`)
舞踊の楽しみ
紅翫は常磐津節です!
常磐津節は古典邦楽の一ジャンルですが、初めてご覧になった方はそのことをあまり難しく考えなくとも大丈夫かと思います。
古典邦楽というのは歌舞伎の舞台で聞くことができるものだけでも長唄や清元などいろいろなジャンルがあります。
歌っている方が前に置いている台の形で見分けたりすることもできるのですが、何節なのかわからなくても充分に楽しめますのでどうぞご安心くださいね(人'v`*)
歌舞伎を見るにあたってストーリーを楽しむことを第一の目的としている方の中には、舞踊に苦手意識をお持ちの方もおいでですね。よくわからない、単調でつまらない、と思われてしまうのかもしれません。
舞踊にはいろいろな楽しみ方があり非常に奥深いものですので、少しでも苦手意識を解いてシンプルに何気なくご覧になってみてください(n´v`n)
ひたすらに目で楽しむことに慣れてきたらば、次は歌の詞章を聞き取ろうと意識してみるとよりいっそう楽しめるのではないかな…と考えています。
どうぞゆっくりとチャレンジなさってください♪