ただいま国立劇場では50周年を記念し、
通し狂言 仮名手本忠臣蔵が上演されています!
仮名手本忠臣蔵が人形浄瑠璃文楽から歌舞伎化されたヒット作で、歌舞伎にとって大変重要な演目であることは先日お話したとおりです(o´v`)ノ
やさしい仮名手本忠臣蔵 その一 三大狂言のひとつ - 歌舞伎ちゃん 二段目
そんな仮名手本忠臣蔵には独特のしきたりがたくさんありますので、今日は今月上演中の仮名手本忠臣蔵・大序からいくつかお話したいと思います。
幕開けのかっこよさ
大序とは物語の発端、一番初めの場面です。
口上人形による配役の読み上げも終わり、
(口上人形:本日初日!国立劇場・仮名手本忠臣蔵 第一部 - 歌舞伎ちゃん 二段目)
さあいよいよ幕が開くぞ!!ヽ(。>▽<。)ノ
とワクワクドキドキ気持ちは急いてしまいますが、
大序の幕はすぐには開きません…(・_・;)
幕は柝の音とともに徐々に徐々に、ゆっくりと開いていきます。
じわりじわりと開いていく間に、赤穂浪士事件で本懐を遂げられた義士の方々に敬意を表して、柝が四十七回打たれるのです…!
しびれるほどかっこいいしきたりです…!
チョン、チョン、と柝の音を聞きながら四十七士それぞれの志に思いを馳せてみてくださいね(n´v`n)
…というのが定説なのですが、先日の国立劇場で数えてみるとどうも四十七には収まらぬ回数のような気が。
疑問に思っていると、おもしろい読み物を発見しましたよ(o´v`)ノ
幕が開いたら
いよいよ幕が開ききると、ずらりと並んだ役者は皆下を向いています…少し異様な光景です。
そこに、
\とーーざーーーーいーーーー/
\とーーざーーーーいーーーー/
\とーーざーーーーいーーーー/
\とーーざーーーーいーーーー/
\とーーざーーーーいーーーー/
\とざい/
\とーーざーーーーいーーーー/
という非常に長い東西声が聞こえてきます。
これは劇場の隅々のお客さんに向けて「お芝居が始まりますよ、静かにしてくださいね」という意味でかける声です(´▽`)
仮名手本忠臣蔵では、上手・中央・下手で七・五・三にかけると言われています。
体感的にはかなり長い時間ですが、厳粛なムードがたまりません(n´v`n)
人形のように
そしていよいよ太棹三味線と太夫の語りで物語られてゆきます。
嘉肴(かこう)ありといへども食せざればその味を知らずとは。国治つてよき武士の忠も武勇も隠るるに、たとへば星の昼見えず夜は乱れて現るる、ためしをここに仮名書の太平の代の政。
この冒頭の詞章がたまらぬかっこよさですが、舞台に並んだ登場人物はこの間もずっと下を向いていますo(._.)o
このあとその場にいる登場人物が順々に紹介されてゆく語りが続き、
下を向いていた各役者はそれぞれの役についての語りにのせて、初めてぐわーっと顔を上げて動き出すのです。
まるで人形に魂が宿ったようにみえる演出ですね(人'v`*)
原作である文楽の仮名手本忠臣蔵を踏襲し、このようなしきたりが生まれたのだそうです。
こんな風に、とてもスタイリッシュな大序…!
憧れの江戸時代から守られてきた様式なんだ…!
と思うと、私にはとてつもなくかっこよく感じられます(n´v`n)
上演の際にはぜひチェックなさってみてください♪