ただいま国立劇場では50周年を記念し、
通し狂言 仮名手本忠臣蔵が上演されています!
大序から十一段目までを三か月にわたって上演するという特別企画で、今月10月は大序から四段目までを上演中です。
仮名手本忠臣蔵は三大狂言にも数えられ、文楽・歌舞伎の世界で非常に大切にされてきた作品ということで、
江戸時代の芝居文化の中で生まれた独特のしきたりがいろいろと残されています。
前回は大序のしきたりをお話しましたので、今日は簡単に四段目のお話をしたいと思います(人'v`*)
劇場全体で作る厳粛な空気
仮名手本忠臣蔵の四段目は、
松の廊下で高師直に斬りつけた塩冶判官がついに切腹をするという最も重要な場面であります。
白い装束に身を包んだ塩冶判官が九寸五分を突き立てつつも「由良之助はまだか」と問う姿が胸に迫ります…。
ここで最も大切なのは、しんとした静けさと張り詰めた厳粛な空気です。
この四段目ではそんな厳粛なムードを壊さぬよう私たち観客も協力し合わければなりません((o・-・)从(・-・o)
うっかりガサゴソしないよう集中力を高め、電子機器類にも注意しましょう。
それだけに留まらず、「通さん場(とおさんば)」と言ってなんとお客さんの出入りまでもが規制されてしまうのです!Σ('0'o)
指定の時間内は途中退出も途中入場もできません。四段目の前は準備万端に、早めに着席なさってくださいね。
私たちのいる客席からは見えない襖の裏手にも、義士を勤める役者がずらりと並んで平伏し判官の切腹にじっと立ち会っているのだそうですよ。
この四段目がいかに大切な幕かということがお分かりいただけると思います(ノ_・。)
こうした客席全体を含めた演出のおかげで、私たちもまるで義士の一人で判官の切腹を見届けているような気持ちになれるのですね。
今月はもうまもなく千穐楽を迎えてしまいますが、仮名手本忠臣蔵は何度も何度も繰り返し上演されますので、いつかお役に立てればうれしく思います(人'v`*)