歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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やさしい寺子屋 その1 菅原伝授手習鑑から

ただいま歌舞伎座で上演中の十二月大歌舞伎

夜の部で上演されている「寺子屋」について少しだけお話しますので、ひとつ覚えていただけたらうれしいです(人'v`*)

www.kabuki-bito.jp

空前のヒット作

寺子屋は「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」という長いお話のなかの一つの場面です。

元は人形浄瑠璃で、延享3年(1764)の8月大坂の竹本座にて初演されました。

そこから大評判となり、なんと8か月にわたるロングランを記録したのだそうですよΣ('0'o)

文楽の翌月、延享3年(1764)9月にはさっそく京都で歌舞伎として上演され、これもまた評判を呼びます。

そんな盛り上がりは江戸にもすぐに伝わり、江戸でも文楽・歌舞伎ともに大ヒット!

京・大阪・江戸の三都で空前の菅原伝授手習鑑ブームがやってきましたヽ(。>▽<。)ノ

とりわけ人気のエピソード

菅原伝授手習鑑は菅原道真と天満天神演技をモチーフにして、道真にまつわる俗説や三つ子の兄弟のエピソードなどをもりこんで脚色されたお話です。

ざっくりと、天神様のお話なんだなぁと思っていただけたらよいかと思います(人'v`*)

そんな菅原伝授手習鑑の中でも当時からとりわけ評判がよかったのが四段目にあたる「寺子屋」の場面だったのだそうです。

四段目の大当たりは大坂中はもちろん諸国の浦々山家の隅々までも響き渡る大評判

と伝えられていたようですからよっぽどのことですね(´▽`)

 

そんな「寺子屋」は現在も私たち観客の心に強く響き、人気の演目として知られています。

江戸の昔に書かれたものですけれども、物語のなかで描かれているのは決して古いものではないということが実感できますね。

三大狂言の一つ

菅原伝授手習鑑は、義経千本桜・仮名手本忠臣蔵とともに三大狂言のひとつに数えられています。

歌舞伎にはいろいろな演目がありますが、すえひろが今までに見てきたわずかな演目たちの中でもやはり三大狂言は群を抜いておもしろいのだなと段々わかってきました(n´v`n)

今月はちょうど菅原伝授手習鑑と仮名手本忠臣蔵からの演目がいくつか上演されていますから、ぜひご覧になってみてください!

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