歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。 歌舞伎歴10年の20代。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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本日・赤坂大歌舞伎 蓬莱竜太作・演出「夢幻恋双紙〜赤目の転生」千穐楽!

本日3月25日で赤坂ACTシアターで上演されていた

赤坂大歌舞伎

新作歌舞伎「夢幻恋双紙〜赤目の転生」

が千穐楽を迎えました!

\おめでとうヽ(。>▽<。)ノございます/

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劇団モダンスイマーズの蓬莱竜太さん作・演出の今回の新作歌舞伎は、素晴らしい芝居でした…すえひろも一度では足りず二度ほど拝見してまいりました。

初日から\助けてー!!/と思ってしまうような苦しさでしたが、結末を知っている二度目はそれ以上の痛みでした…。

今日は楽日ということで、ややネタバレになってしまうかもしれないことをお許しください。お嫌でしたら、どうぞこのあたりで御免ください(>_<)

 

この作品はセリフに現代語が使用され、音楽にはピアノが使われ、女形は現代女性さながらに感情をあらわにしていました。

それでも私は「歌舞伎」と題されていることに違和感は感じなかったのです。

感じ方は人それぞれかと思いますけれども、現代語であるからといって歌舞伎がわかりやすく親しみやすくなるかと言えばそうではありません。

むしろ現代語が使われていることで、より一層舞台の上で起こっている問題の行き着く先の途方もなさを実感しました。

絶対に埋まらないもの、わからないこと、そういったことがリアリティを持って自分自身に迫ってきたのです。

 

ものの数分間のうちに堕ちてゆく七之助さんの姿にぞくっとし

「誰かが救ってくれるような気がする、誰かが幸せにしてくれるような気がする」というフワフワとした甘えや驕りに自分の弱さを見せつけられたようでした。

亀鶴さん、亀蔵さん、猿弥さん、いてうさん、鶴松さんの細かなお芝居によって転生の世界はより色鮮やかに感じられます。

 

「目がどんどん赤くなっていくんだよ」とお姉さま方から伺い、二度目は一階の表情が確認できる座席で。

本当に生まれ変わるごと赤色が濃くなってゆく瞳を見て、やはり勘九郎さんの生来背負っている陰影は美しいなぁ…これが好きなんだよなぁ…と心底思いました。

 

お父様が太陽のようなイメージの方であるとすれば、勘九郎さんがお持ちなのは月のような魅力だなぁと私は感じます。それは決して誰かに照らされているという意味ではないのです。

勘三郎さんはたくさんの演出家の方々とタッグを組んできました。有難いことにそのうちのいくつかではありますが、私も拝見できています。

勘九郎さんはそれらの芝居の世界をなぞりながら十九代勘三郎への役者人生を生きてゆくのではなくて、蓬莱竜太さんという勘九郎さんの魅力が最大限に生きる世界と出会われたのだな…

と勘九郎さんのファンの端くれとして本当に嬉しく誇らしく思いました。

 

世襲であっても、血縁があっても、芸は命の限り一代。

このことをここ数ヶ月、何度も考えています…

重く苦しい芝居体験ながら、自分の人生の中にいつまでもいつまでも残って巡りつづけそうな貴重な時間でした。。

再演や映像化などがありますようにと願っております!

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