ただいま歌舞伎座で上演中の團菊祭五月大歌舞伎!
七世 尾上梅幸 二十三回忌
十七世 市村羽左衛門 十七回忌と銘打たれている今年の團菊祭は
坂東彦三郎改め初代 坂東楽善
坂東亀三郎改め九代目 坂東彦三郎
坂東亀寿改め三代目 坂東亀蔵 襲名披露
六代目 坂東亀三郎 初舞台
親子三代の襲名披露&初舞台というおめでたい舞台も加わったにぎにぎしいものです。
今回襲名披露狂言として選ばれているのはこちらのふたつの演目。
- 昼の部「梶原平三誉石切」
- 夜の部「壽曽我対面」
このうち「壽曽我対面」について少しばかりお話していますので、なにかにお役立ていただければ嬉しいです(人'v`*)
その一
その二
強烈なインパクト!小林朝比奈
「壽曽我対面」という演目には、尋常でなくド派手な出で立ちでキャラクターの濃い人物がぞろぞろ出てきます。
そんな中でもとりわけ目立っている人物が小林朝比奈です。
今月は襲名披露の初代坂東楽善さんがお勤めですので、記念にこの役柄についてお話したいと思います(人'v`*)
小林朝比奈のモデルは、和田義盛の三男・朝比奈三郎義秀というおさむらいです。
この人は日本有数の勇者として知られていて、伝説が伝説を呼んでさまざまな物語に登場し、大人気となります。
「曽我物語」では曽我兄弟に同情する鎌倉武士として描かれているそうです。かっこいいですね(n´v`n)
なのに歌舞伎においては、おもしろい雰囲気の役柄となっています。
これは初代中村伝九郎という人物のアイディアで、荒事の様式に道化っぽさを加えた独特の演出であります。
特徴的な隈取
歌舞伎座でも売られているおみやげ・くまどり豆のパッケージに、朝比奈のくまどりが描かれていました(´▽`)
猿のようなお顔で愉快な「猿隈(さるぐま)」というものをベースにして作られた、初代中村伝九郎が考案したものだそうです。
眉毛は八の字に、少し丸みを持たせて描かれています。これは茄子に見立てて「なすび眉」とも呼ばれます。
この絵では青い線で描かれている頬のラインは、実は髭でありますΣ('0'o)
ほとんどもみあげから繋がってしまったような極太の髭で度肝を抜かれますね。
この隈取に加えて、烏帽子や力紙のついた特殊な鬘をつけています。
楽善さんお勤めの朝比奈とご子息である彦三郎さんがお勤めの五郎、お二人の兼ね合いも楽しみです(人'v`*)
目にも楽しい小林朝比奈をぜひじっくりとご覧になってみてくださいね。