歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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江戸の歌舞伎入門:市村羽左衛門が座元を勤めた市村座

ただいま歌舞伎座で上演中の團菊祭五月大歌舞伎は、

七世 尾上梅幸 二十三回忌
十七世 市村羽左衛門 十七回忌と銘打たれております。

名優として知られる十七代目 市村羽左衛門のご子息である八代目坂東彦三郎さんは初代坂東楽善の名を

そしてそのご子息である亀三郎さん・亀寿さんはそれぞれ九代目 坂東彦三郎・六代目 坂東亀蔵を襲名なさいました(人'v`*)

市村座の座元・市村羽左衛門

この御三方の名跡のルーツである市村羽左衛門家はそもそも、
江戸三座のひとつである市村座の座元を代々勤めた由緒あるおうちであります。

江戸三座についてはこちらをご覧ください

www.suehiroya-suehiro.com

伝統と風格の中村座に対し、市村座は新しい風をとりこむ体勢であったそうです。

淡交ムック「歌舞伎 家・人・芸」という本には、お馴染みの「続狂言」や「引幕」は市村座の案出した工夫であるとの記載があります。

当時は珍しかった様々なアイディアをどんどん取り入れ、革新的な興行を行っていたようですね。

市村座のアイディアは、現在の歌舞伎にも脈々と受け継がれています!

 

色の幕の順番が違う?

歌舞伎のシンボルとも言える、三色の定式幕

江戸三座の中村座・森田座・市村座ではそれぞれ幕の配色が違っていました。 

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こちらは歌舞伎座の定式幕。

現在歌舞伎座では柿色萌黄という順番の幕が使われています。

これは森田座の定式幕の配色を踏襲したものであります。

 

歌舞伎座ほか歌舞伎を上演する劇場ではほとんどがこの森田座の配色を使っているそうなのですが、国立劇場だけは異なっているのだそうですΣ('0'o)

 

お気づきでしたか…?

恥ずかしながらこのすえひろ、教えていただくまで全くもって気が付きませんでした(ノv`*)

 

国立劇場で採用されている定式幕は、萌黄柿色

萌黄柿色の順番が逆なんですね(´▽`)

 

実はこれ、市村座で使われていた配色なのだそうです!

市村座のシンボルの一つがこうして残されているんだと思うとなんだかワクワクしてきます。

 

来月の鑑賞教室などで、ぜひ定式幕の配色をチェックなさってみてくださいね(*´艸`)

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