この週末すえひろは大坂松竹座へ遠征し、
七月大歌舞伎の夜の部を見てまいりました(人'v`*)
今回の七月大歌舞伎夜の部は「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」
たくさんの人が亡くなってとんでもない因果が絡まりに絡まりまくるという
たいへん鶴屋南北らしいお芝居であります。
この演目を見るのは初めてでしたが、
忠臣蔵や四谷怪談など様々な要素が盛り込まれているため、
なるほどそれがそうなるのか!Σ('0'o)ととてもおもしろく見ました。
仁左衛門さんは以前のインタビューで
「本質的な悪人は出てこない。とにかくドラマがよくできている」
とおっしゃっていました。
本当にその言葉の通りで、
一見すると「女に裏切られた男が逆上して派手な殺人を犯す」
というキャッチ―なお話ですけれども実際はそんな単純なものではなく、
複雑な因果の中でどの登場人物の思いにも感情移入ができるようになっていました。
鶴屋南北、すごすぎます(・_・;)
しかし鶴屋南北のすごさはもちろんながら、
現代人の私たちにも感情移入しやすいように演出なさっているのは仁左衛門さんのお考えでもあるわけですね…
仁左衛門さん、すごすぎます(・_・;)
現代風の芝居や映画と違い、歌舞伎になると残虐な殺しも美学になる。それが歌舞伎の魅力
とおっしゃっていたとおり、五人斬りの場面は浮世絵を見るように美しかったです…!
非常に残虐な場面でありながらうっとりとしてしまうように美しく、歌舞伎ならではの魅力が溢れていました。
この芝居の最大の見せ場なのでないかと思われる
源五兵衛が小万の首を抱えて花道を引っ込んでゆく場面では、
小万を心から愛していたんだな、まだ愛しているんだな…
ということが仁左衛門さんのお姿から手に取るように伝わり
胸が苦しくなって思わず涙が零れてしまいました(/_;)
大詰で源五兵衛が、好きゆえに首まで落として大事に懐へ入れて持って帰り、その首にご飯を食べさせる。これも女性に対する男の一途さにできるのが、歌舞伎
とおっしゃっていたように
ただただ小万と三五郎憎さに駆られて凶行に及んだのではなくて、
小万をひたすら一途に思っていたがゆえのことなのだと思うと、
源五兵衛の悲しみの深さがいかばかりかと泣けて泣けて仕方がありませんでした。
芝居を見る前に読んでいたあらすじでは源五兵衛の異常性が強調されていたために、
異常性にゾクッとするような色気を感じさせる芝居なのかな?
と予想していたものですから、
その予想を良い意味で裏切られ
ああやっぱり仁左衛門さんのお芝居が好きだ…本当に見に来てよかった。
と心から思いました。゚゚(´□`。)°゚。
大好きな歌舞伎役者がいて、
なおかつその方と同じ時代を生きていられる、
というのは本当に幸せなことですね。
これからもひとつひとつの芝居を大切に拝見してゆきたいと思います。
秋の霊験亀山鉾も非常に楽しみです!