ただいま歌舞伎座で上演中の八月納涼歌舞伎!
第二部「修禅寺物語」について少しばかりお話いたします。
何らかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)
漢字の書き方にご注意
「修禅寺物語(しゅぜんじものがたり)」は岡本綺堂によって書かれた戯曲で、
明治44年に発表され、明治座にて二代目市川左團次らによって初演された演目です。
現在私たちが「しゅぜんじ」と聞きますと、
どうしても伊豆の修善寺温泉を連想しますので「修善寺物語」と書きたいところですけれども
この演目は「修 ”禅" 寺物語」ですのでご注意ください。
この修禅寺というお寺は現在も伊豆の地に続いています。
807年の開創から470年間は真言宗のお寺として栄えましたが、
その後鎌倉時代になると臨在宗に改宗、室町時代には曹洞宗に改宗したというお寺です。
物語のキーパーソンでもある源頼家が北条時政によって幽閉され、23歳という若さで殺された場所であると伝えられています。
修禅寺から少し離れたところにある指月殿という菩提所の境内には、今でも頼家のお墓が残っています。
「修禅寺」こそがお話の発想の源となっているため「修禅寺物語」と題されているわけですが、
この修禅寺が実在している伊豆市の地名は「修善寺町」でありますので少し紛らわしいです(ノv`*)
修善寺町は「修禅寺物語」の劇中にも登場する桂川のほとりに湧く修善寺温泉を中心とした人気の観光地です。
修善寺温泉は「平安時代に空海が川の中の岩を打って霊泉を湧出させた」とされている伝説の温泉でもあります。
この伝説の温泉は「独鈷の湯」として現在もぽかぽかと湧き出しているそうですので、不思議なこともあるものですね(´▽`)
次回は岡本綺堂と修禅寺について、お話したいと思います(人'v`*)