歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。 歌舞伎歴10年の20代。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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やさしい於染久松色読販 その二 お染久松の心中

ただいま歌舞伎座で上演中の三月大歌舞伎

夜の部「於染久松色読販」では、仁左衛門さんと玉三郎さんの名コンビがご共演。

先月からの二か月連続共演ということで大いに湧いています!

この記念に少しばかりお話をいたしますので、

なんらかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)

 

お染さんと久松さんの心中話

今月上演されている場面には登場していませんが、

於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」

というタイトルにもあるように、

この演目はお染さんと久松さんの実際の心中話を元にして描いた

お染久松物」と呼ばれる浄瑠璃やお芝居のひとつであります。

 

江戸時代の実話を集めた「実事譚(じつじたん)」なる書物などによりますと、

1708年(宝永5年)大坂は東堀の質屋 油屋にて

丁稚として働いていた久松さんが、

ご主人の娘・お染さんを誤って水死させてしまい、

申しわけに蔵で自殺をしてしまった…というのが実説のようです。

 

しかし書物によってはお染さんは身ごもっていたらしいぞという話もあり

やれ良家の娘と丁稚が心中だぞ、こりゃどうじゃと大評判になり、

浪花節の源流である歌祭文(うたざいもん)という音楽にて歌われはじめたのでした。

 

ここからお芝居や浄瑠璃として次々に語られはじめ、

お染久松物」というジャンルを生み出すまでになりました。

歌舞伎にもなっている「新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)」が特に有名ですので、

また上演の機会があればお話したいと思います。

 

「●●・○○物」というように女性と男性の名前が羅列されていればだいたい

「あぁきっとこの二人は心中したのだろうな」と察してしまうほど、

実際の心中を元ネタとするお芝居は多いです。

 

ご遺族にすればあることないことを書かれたまったものではありませんが、

平和な江戸時代をおもしろおかしく暮らしていた人々は

センセーショナルな心中事件が起これば興味を持ち、知りたがったのでしょうね。

 

芝居や浄瑠璃が今のワイドショーと変わらない

メディアの一種だったのだなぁと親しみを覚えます(´▽`)

 

 

 

参考:日本大百科全書(ニッポニカ)

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