歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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超歌舞伎2018にちなみ 積恋雪関扉(関の戸)

2018年4月28日(土)29日(日)

幕張メッセにて開催されているニコニコ超会議

今年も最新技術と歌舞伎のコラボレーション「超歌舞伎」が上演されています。

獅童さんとボーカロイドの初音ミクさんが映像技術によって共演し

そのもようがネット上でも生中継されるという近未来的な催しです。

 

三度目になる今年の演目は新作「積思花顔競(つもるおもいはなのかおみせ)

超歌舞伎で生まれて初めて歌舞伎にふれるという方も大勢おいでかと思い

着想を得たという舞踊「積恋雪関扉」について少しばかりお話してみます。

なんらかのお役に立てればうれしく思います!

 

桜の精と謀反人のバトルファンタジー

積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)は、

関の戸」という通称でお馴染みの演目。

1784 年(天明4)11月、江戸は桐座で初演されました。

 

歌舞伎で演奏される古典邦楽には長唄(ながうた)、清元(きよもと)などなど

さまざまなジャンルがあり、そのうちのひとつ

常磐津(ときわづ)」という音楽の舞踊劇です。

 

舞台は真っ白な雪景色の逢坂山(おうさかやま)の関。

冬だというのになぜだか桜が満開で、怪しげな関守の男が守っています。

この男というのは実は天下を狙う悪人・大友黒主なのであります。

 

この関に咲いている桜は樹齢300年を超えるもので、

小町桜」と呼ばれ、美しい桜の精が宿っていました。

桜の精は人間に姿を変えて遊女となり、恋人と契りを交わしていました。

 

いろいろと事情があり恋人は命を落としてしまったのですが、

その死には大友黒主が関わっていることがわかったのであります!

 

恋人の仇を討つために遊女を装って大友黒主に近づく桜の精、

美しき桜の精と天下を狙う謀反人の闘いがいまはじまる…!ゴゴゴゴゴ…

 

というのが、ざっくりとしたお話の流れであります。

 

歌舞伎の舞踊では、歌詞に合わせた振りがついていることが多いです!

初めての場合は聞き取るのがなかなか難しいのですが

唄に耳を済ませながら見てみるとよりいっそうおもしろいと思います。

 

比較的上演機会も多い演目ですので、

これを機に歌舞伎座へお出かけになってはいかがでしょうか!

歌舞伎は新作だけでなく古典もとっても楽しいのでおすすめですヽ(。>▽<。)ノ

 

超歌舞伎の詳細

chokabuki.jp

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