歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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やさしい女殺油地獄 その一 受け継がれる芸

ただいま大阪・道頓堀は大阪松竹座にて上演中の

松本幸四郎改め 二代目 松本白 鸚
市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎 襲名披露

七月大歌舞伎

関西歌舞伎を愛する会 第二十七回

襲名披露狂言のひとつである

夜の部「女殺油地獄」について、少しばかりお話したいと思います。

芝居見物の楽しみのお役に立てれば幸いです!

 

存在感を増していった近松の名作

女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)

1721年(享保6)年7月に大坂は竹本座にて初演された文楽のお芝居。

日本のシェイクスピアと呼ばれる天才近松門左衛門の作品であります。

 

油屋の放蕩息子・与兵衛が金の返済に困り、

ついに殺しをしてしまう…という普遍的な題材ということもあり

現代においても大変有名なお芝居です。

実際にあった事件を元にして作られたといいます。

 

しかしながらこの演目は、

江戸時代においては初演以来ほとんど上演されませんでした。

 

それがぐぐっと盛り上がっていったのは、明治時代。

1909年(明治42年)の大阪朝日座において上演された

二代目實川延若の与兵衛が当たり、それ以来再び演目に光が当たり始めました。

 

その長男である三代目實川延若から与兵衛を教わった方こそが、

当代の仁左衛門さんであります。

何度も何度も繰り返しお勤めになり、

当たり役として磨き上げ既に一世一代として演じ納めています。

 

そして、

その仁左衛門さんの監修によって上演されるのが、

まさしく今回の新幸四郎さんの女殺油地獄なのであります!

 

二代目實川延若から脈々と続く芸の流れがまさにここで受け継がれる…

その瞬間を目撃できるというのは本当に記念すべきことで、

歌舞伎ファンのはしくれとして興奮せざるをえない出来事です…!

 

公演の詳細

www.kabuki-bito.jp

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