歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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やさしい龍虎 その一 ダイナミックな義太夫の世界

ただいま歌舞伎座で上演中の

八月納涼歌舞伎

第一部「龍虎」は幸四郎さんと染五郎さんの

美しき親子共演が話題を呼びそうですので、この機会に少しばかりお話いたします。

芝居見物の楽しみのお役に立てればうれしく思います!

義太夫が濃厚な大迫力の舞踊作品

龍虎(りゅうこ)は、

昭和28年(1953年)9月に大阪にて初演された舞踊の演目であります。

一流の食通伝説でも知られる昭和の名優・八代目坂東三津五郎と

関西歌舞伎の名優・三代目實川延若によって繰り返し上演されました。

 

大地にとどろく雷鳴、空気をぐわんぐわんと揺るがすような暴風の中で

荒々しい虎と龍がグワーッとたたかいを繰り広げるという、

非常に猛々しくダイナミックな作品です!

 

今回、歌舞伎を初めてご覧になる方も大勢おいでと思います。

一口に日本舞踊と言っても、実はいろいろな音楽のジャンルがあり、

それぞれに味わいが異なるのですが、

この演目の音楽は「義太夫(ぎだゆう)」というジャンルです。

 

太い音の出る太棹三味線がドドドドドと荒々しいムードを高め、

太夫と呼ばれる歌い手の濃厚な語りが、詞章の世界を描き出します。

 

邦楽においての三味線の音というのは、 

雨風などの気象はもちろん、涙のこぼれるようすなどの心の動き、

虫の声などなどさまざまな世界を描き出しています。

幸四郎さん・染五郎さんの舞踊のようすはもちろんのこと、

音楽が描いている世界をイメージしながらご覧になってみてくださいね!

 

今月の幕見席

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