歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。 歌舞伎歴10年の20代。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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歌舞伎のことば:「思いがけなく手に入る百両」

 今月歌舞伎座にて上演されていた芸術祭十月大歌舞伎

昼の部「三人吉三」にちなみまして、歌舞伎の名ゼリフに関してひとつ掘り下げてみたいと思います。

芝居見物の楽しみのお役に立てれば幸いです。

 

思いがけなく手に入る百両っていくら?

吉三郎という名の三人のどろぼうたちが出会う「三人吉三 大川端庚申塚の場

夜鷹から百両という大金を奪って川に突き落とした女装の盗賊・お嬢吉三が、

朗々とかたるこちらの名ぜりふが非常に有名です。

月も朧に白魚の 篝も霞む春の空

冷てえ風も微酔に心持よくうかうかと浮かれ烏のただ一羽

ねぐらへ帰る川端で 棹の雫か濡手で粟、

思いがけなく手に入る百両 

ほんに今夜は節分か西の海より川の中

落ちた夜鷹は厄落し 豆沢山に一文の銭と違って金包み

こいつぁ春から縁起がいいわえ 

濡れ手で粟の百両というのは一体どれくらいの価値があったのかなということがふと気になりました。

 

一両がいくらか?ということは様々な本を見ても「確かなことはいえない」とされているので

お金に関する確かな情報が集まりそうな日本銀行金融研究所の情報を参考に調べてみました。

 

しかしながら、なんと日本銀行金融研究所の「お金の豆知識」にも

「簡単にはいえません」と記載されています。

その理由は、江戸時代と現代では社会の仕組みが全く異なるためとのこと。

同じ商品・サービスであっても生産方法や人々が必要とする度合いも違い、

金銀銅の交換レートが毎日変動し、約260年という長さのために物の値段が大きく変動したためだそうです。

ごもっともとしか言いようがありません。

 

そこで、大好物のおそばを基準に計算してみることにしました。

仮に、江戸後期のおそばを約16文とします。

三人吉三が初演された幕末には一両が8000文以上に高騰していたそうですから、

1両で約500杯もおそばを食べることができたことになります。

おそばの値段もきっと高騰していたはずなのですが、

明確な情報がなくわけがわからなくなるのでひとまず16文としたいと思います。

 

このすえひろの大好きな歌舞伎座裏にある立ち食いそば店では、

かけそばがだいたい260円くらいであったはずです。

となると、260円×500杯=130000円

この考え方ですと1両の値段は13万円くらいかなあというところです。

これを単純に100倍した、1300万円程が幕末の百両の一つの目安であります。

 

1300万円!!!思わず電卓を2度見してしまいました。

ぽっと手に入れるにはあまりにも高額ですね!!!

 

気持ちの良いセリフを朗々とかたりたくなってしまうのも

わかるような気がします(´▽`)

 

参考:日本銀行金融研究所

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