歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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十一月をふりかえり… 2018年

早いもので今月も今日でおわり…

今月は芝居でたいへん忙しいひと月でありました。

 

このすえひろも歌舞伎座、平成中村座、京都の顔見世と

日程のゆるす限り見物してまいりましたが、

どの劇場もそれぞれに感動の詰まった公演で胸が熱くなりました。

 

なかでも思い入れが深いのはやはり

京都の顔見世で拝見した昼の部「封印切」でしょうか…

元々好きな演目でしたが、あれほどまでに忠兵衛の葛藤が

心の中にストンと入り込んで涙が溢れてきたのは初めてのことです。

 

仁左衛門さんのとんでもない悪役も大好きなのですが、

忠兵衛のように頼りない和事はもうたまらなく好きです。

「冥途の飛脚」という最初の題名の悲しさをひしひしと感じ、

どうにかして、どうにかしてこの人たちを助けられないものだろうか…と

本気で思ってしまうほどに、芝居の世界が立体的に立ち上がってくるようでした。

 

もうひとつ思い出深いのは、11月の京都の美しさとその賑わいであります。

京都の顔見世は例年12月ですので11月に京都に行くのは初めてでしたが、

鴨川も祇園も八坂神社も本当に紅葉が見事でした!!

 

南座からもう既に見えている八坂神社まで行こうとしても歩みが遅々として進まず、

うっかりぶつかってしまった日本の方に「ソーリー」と言われてしまうほどの混乱ぶりでしたが

あの美しさならば道の尋常でない混雑や旅行料金の高騰も納得というものです。

 

来月もう少し落ち着いた京都の町で「すし屋」を拝見するのを心待ちにしております。

来月はどんな芝居が待っているのでしょうか。

楽しみに今日は休みたいと思います。おやすみなさいませ。

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