歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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一月をふりかえり… 2019年

早いもので今日で一月もおわり…

今月は東京だけでも

歌舞伎座、新橋演舞場、国立劇場、浅草公会堂の四つの劇場、

加えて大阪の大阪松竹座と全国5つの劇場で芝居の幕が開き、

一年のうちでもっとも華やかでにぎにぎしいひと月でありました!

大きな時代の転換点…

今回のお正月はさまざまなメディアで「平成最後」と謳われ、

筋書やチラシにもその文字がたくさん見られたために、

自然と「大きな時代の転換点」であると意識しながらの芝居見物となりました。

 

将来の歌舞伎界を背負う勸玄さんたち世代の方々に顔がほころび、

新たな元号に芝居の中心を担うはずの幸四郎さん海老蔵さん猿之助さん、

菊之助さん七之助さんをはじめとする方々に楽しませていただき…

 

それからさらに若い松也さんや隼人さんをはじめとする世代の方々が

後に平成の名優と称賛されるはずである方々の芝居を受け継ぐ姿に感動、

そして吉右衛門さんや菊五郎さんをはじめとする大幹部の方々の

昭和からどっしりと蓄積されてきた濃密な芝居に心の底から感じ入りました。

 

歌舞伎などの伝統芸能の世界では、

主役脇役問わず誰一人欠けることなく全ての方が繋がり

偉大なる過去の蓄積の上に現在や未来を作っていくのですね。

 

「こんな偉大な名優が現れた」「彼によって芝居の一時代が築かれた」などと

本で読むような話はいつも過去の事ですけれども、

全ては「今」がミルフィーユのように重なってできたものです。

 

まさに目の前で起こっていることそのものがたちまち過去になり、

いつしか歌舞伎の歴史へと変わっていくのだなあ…と、

ごく当たり前のことなのですが再認識して、わなわなと感動しておりました。

芝居見物のおもしろさがまたひとつ深まったように思います。

 

また余談ですが、勘九郎さんが主演をお勤めになっている

2019年の大河ドラマ「いだてん」も毎週欠かさずに拝見しております!

歌舞伎では味わえない魅力に感激しきりです。

 

このすえひろは、東京は下町の生まれなのですが、

町人の街ですから大河ドラマの舞台になるということが非常に少ない地域であり、

ましてや大好きな阿部サダヲさんが地元の隅田川で泳ぐ場面が

オープニング映像になるなどまず想像できないことでしたので、

 

本当に心からうれしく、誇らしく、

先祖が過ごした当時の東京はこんな感じだったのかあ…と思いを馳せたりして、 

いつになく東京への郷土愛が爆発しております!!

歌舞伎座のまわりだけでなく、隅田川、浅草界隈にも芝居ゆかりの地は山ほどございます。

この機会に遠方の方もぜひとも、ぜひとも遊びにいらしてくださいね!!

 

さて、来月はどんな芝居が待っているのでしょうか。

楽しみに今夜は休みたいと思います。お休みなさいませ…

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