歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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二代目喜多村緑郎襲名披露 九月新派特別公演に行ってきました!

今日は新橋演舞場で、

市川月乃助改め

二代目喜多村緑郎襲名披露 

九月新派特別公演

の夜の部を拝見いたしました!

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夜の部は新派の名作「婦系図(おんなけいず)」

いつか波乃久里子さんご出演のものをこの目で見てみたいと憧れておりましたので、

二代目喜多村緑郎襲名披露という大変おめでたい公演でそれが叶ったことを本当に嬉しく思いました。

お蔦と主税の涙を絞るような別れ、我が子に母と名乗れない小芳の身の上、そして主税の力強い信念…

どうにも涙なしには見られぬお話でした。゚゚(´□`。)°゚。

やはり自分の身に置き換えずにはいられず…この時代の女性たちのありようが胸に迫り、美しく切なく感じられました。

 

あらすじを一読するとメロドラマ的なものなのかと思いきや、それとは全く異なる独特の美しさや風格が漂うのはやはり新派の伝統あればこそなのでしょう。

明治期の風俗が随所に描かれ、新派が生まれた時代のことを思い描きながら拝見しておりました(n´v`n) 

第四幕では長唄のお浚いをしている声が近所から聞こえてくるという設定で、長唄「勧進帳」の詞章が芝居と重なる演出があり、なんとも胸に迫りました。

この婦系図が作られた当初は、世の中の人々にとって勧進帳の筋も歌詞も広く知られたものであったことがよくわかる演出ですよね、すごいことですΣ('0'o)

現代の若者で勧進帳の筋と詞章を把握しているのは、伝統芸能に関わる方や一部のマニアに限られてしまうのではないかなと思いますので、

こういったものをこの先の未来に残して行くとなるとなかなかに難しいものがあり、ここにしかない美しいものが失われてしまうようでなんだか悲しくなってきてしまいます(。´_`。)

芝居にお友達を誘ったり、こうしてブログを書いたりして自分にできることをやってみよう!という気持ちを強くした一夜でした。

17日からは大阪松竹座で

http://www.shochiku.co.jp/play/shochikuza/schedule/2016/9/_1_114.php

新橋演舞場の公演は明日で千穐楽となり、17日からは大阪松竹座に場所を移します!

 

私と同世代かそれよりもお若い世代の方にとっては、歌舞伎以上に興味が湧きにくいものかもしれませんが、そのような世代の方々にこそぜひとも一度新派をご覧いただきたいなと強く思います。

私の場合は古き良き時代の女性たちの生きた姿から色々なことを感じ取ることで、自分の人生のいろいろを思うよき契機となりました。

新派の芝居に出てくるような古風で芯の強い素敵な女性になりたいというのは、私にとってひとつの目標になっています(n´v`n)

 

関西にお住いの方は、この機会にぜひ大阪松竹座へお出かけくださいね(人'v`*)

 

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