今日は今月の歌舞伎座興行にちなんだ
歌舞伎のことばのお話をいたしますので、
ひとつ覚えていただけたら嬉しいです(人'v`*)
一條大蔵譚の見せ場で
今月上演中の「一條大蔵譚」
阿呆で有名な大蔵卿は阿呆に見せかけていただけで、実は勇ましく賢い本性を隠していた…
ということが明らかになる場面が非常に有名で、この演目の最大の見どころになっています(人'v`*)
まさに「本性が現れた!」という瞬間は
大蔵卿の衣裳が肩からハラリと開いて一瞬にして別のものに変わってしまうという驚きの演出で表現されますΣ('0'o)
白い衣装が鮮やかなオレンジの格子模様のものなどへと変わるので、これまでとの差が効果的に伝わる演出です。
その仕掛け
一体どうなっているのかというのが気になるところですよね。
これは衣裳の上半身の部分の内側に予め鮮やかな模様の衣裳が隠されているんですね(人'v`*)
綺麗に折り返されて仕付け糸によって肩のあたりで縫い止められており、表からは白い衣装しか見えないようになっています。
いまだ!というときに大蔵卿の後ろに控えている人が肩の糸をぐっと引き抜くと、着物はちょうど折り紙のようにパタパタと開き、内側にあったはずの鮮やかな布地が表に現れるというわけです!
糸を引き抜いた人はそのまま背中に垂れた布地をぐっと持ち上げて、正面から見て綺麗な四角い形を作り出します。
直線で作られている着物ならではのとてもおもしろい仕掛けだなと思います(n´v`n)
ぶっ返り(ぶっかえり)という演出です
こういった衣装を変化させる演出を
「ぶっ返り」と言います!
なんだかすごい言い方だなぁと思われませんでしょうか、
「ぶっ」という接頭語が付くとどうしても「ぶっとばす」や「ぶっちぎり」などといったイメージですが、
この「ぶっ返り」もそれだけ勢いがあり衝撃的な場面だと覚えてください(*´艸`)
すえひろの拙いご説明では伝わらないのではと不安になり、文化デジタルライブラリーの動画を探してきました(ノv`*)
ぶっ返りが使われている演目は一條大蔵譚の他にも、
「積恋雪関扉」や「将門」などいろいろとありますのでぜひ探してみてくださいね(人'v`*)