国立小劇場での文楽9月公演
「通し狂言 一谷嫩軍記」
その二、その三と舞台裏レポートをしてまいりましたが今日はいよいよ四段目の切、お人形のお話をしたいと思いますヽ(。>▽<。)ノ
「人形」浄瑠璃・文楽
文楽は太夫・三味線、そして人形遣いが一体となって織り成すお芝居です。
特に人形は、3人がかりで動かすという世界にも類を見ない方法だというお話は前々回にしましたが、ここで3人の役割を復習しておきましょう(´▽`)
主遣い:左手で人形全体を支え、右手で人形の右手を動かす
左遣い:右手で人形の左手を動かす
足遣い:両手で人形の両足を動かす
主遣い・左遣い・足遣いの三位一体の動きは非常に繊細で、心模様を細やかに描き出すものです(n´v`n)
たとえば「一谷嫩軍記」発端、の段に
「一枝を伐らば一指を剪るべし」 という
この物語の核心となるキーフレーズを熊谷次郎直実が初めて承る場面があるのですが、
その言葉を受けた一瞬の熊谷に
ふっ…と顔を上げたか上げないかという非常に細かな動きがありました。
それだけで、熊谷が何かを悟ったような覚悟を決めたような、重い心持ちが伝わってくるようで胸がぎゅっと締め付けられました(/ _ ; )
人形の動きが太夫と語りや三味線の音と合わさるとまるで生きている人間かのように見えてきて、次第に人形であることは忘れて世界に引き込まれて行きます。
「足十年左十年」と言われるように長年培われた芸の賜物ですね(n´v`n)
お人形いろいろ
そんな大切なお人形たちもたくさん見せていただきましたヽ(。>▽<。)ノ
見事な衣装ですね!
とても綺麗なお顔です(n´v`n)
これらは少し小ぶりなお人形で、もしかしたら遠見のためのものなのかもしれないなと思いました。
想像を絶するサイズ!
そして、大変ありがたいことにお人形を実際に持たせていただきました!!!
本当に本当に本当に重かったです!!
玉佳さんがいてくださらなければ取り落としてしまうほどの重みです…!
それもそのはず、想像以上の大きさなのです。
これはお人形を地面から少し浮かした状態なのですが、それにしても人間の私とほぼ同じかそれよりも大きい、ということがおわかりいただけますでしょうか…(*´艸`)
私は恥ずかしながら150センチに届きませんので、それを元にお人形のおおよその大きさをご想像いただければと思います!
右手の持ち手を間違えてしまっていますが、私が立っているのは主遣いのポジションです。
実は左手でお人形の体の中の胴串(どぐし)という棒をつかんでいて、背骨のように支えているのです。
あまりの重みに、数分持っただけでも腕がぷるぷるしてしまいました(>_<)
人形遣いの方々は1時間以上もこの重いお人形を巧みに操り続けるわけですから、その技のすごさを実感します…!
ご覧ください、この顔つき…!
くわっと雄々しい表情を浮かべています。
太夫の語り・三味線の音・人形遣いの技によって、この表情が笑っているようにも泣いているようにも見えてくるのですね。
\文楽ってすごい!/
という素直な気持ちが湧いてきます。
ユネスコ無形文化遺産に登録されるのも納得の、世界に誇る娯楽文化ですね(n´v`n)
さて、三回にわたって文楽9月公演「通し狂言 一谷嫩軍記」の舞台裏をレポートして参りましたが、お楽しみいただけましたでしょうか(人'v`*)
ご興味を持たれた方はぜひ文楽の公演に足をお運びくださいね!