今月は京都の顔見世で「京鹿子娘道成寺」
東京の歌舞伎座で「京鹿子娘五人道成寺」
が上演されています(人'v`*)
一見、歌舞伎座は五人バージョンというだけの違いなのかなと思いきや…
顔見世のチラシには「押戻しまで」と書かれていますΣ('0'o)
この「押戻し」というのは一体何のことなのでしょうか?
今日は「押戻」についてひとつ覚えていただけたら嬉しく思います(人'v`*)
歌舞伎十八番の一つ
押戻(おしもどし)は歌舞伎十八番に数えられています。
市川宗家に代々伝わる「歌舞伎十八番」については以前少しお話してありますのでまずは一度こちらをお読みいただけたらと思います。
歌舞伎十八番のひとつ、といっても「押戻」という演目があるわけではなく、
「押戻」という役と演出方法そのものの名前です。
押戻の演出
押戻は、いかにも荒事のヒーローらしい恰好をしています!
「荒事」についての復習はこちらをご覧くださいね。
特定の演目の幕切れ近くになると
\しばらぁーーーくーー/
という声が花道のつけ根あたりから聞こえてきて、
なにやらど派手な人物がどすどすどすどすとやってきます。
蓑を着て竹笠と極太の青竹を持ち、熱血漢らしく赤い隈取をして、かつら・衣装もとにかく常軌を逸しています。
\あーーりゃーーーーこーーーりゃーーー/
\でぇーーーーーっけぇーーーーーーー/
とはやされながら満を持して舞台へ登場してくるのが、押戻です(´▽`)
(※イメージ)
いったい何を押し戻すのでしょうか
押戻しが出てくる演目は、決まって悪霊や妖怪が登場します。
押戻しには、舞台上を踊りまわって花道まで出てきてしまった悪霊・怨霊・妖怪といったおどろおどろしい存在を、
持ち前の勇敢さで少しも臆することなくぐいぐい本舞台へと押戻し、その怒りを鎮めるという役目があるのです(人'v`*)
荒事のヒーローの強さを、これでもかというこというほどにアピールしているんですね!
初めて見るときにはこれは一体…ときょとんとしてしまいますけれども、
非常におおらかで歌舞伎らしい楽しい演出だなぁと思います(´▽`)