歌舞伎の舞台の上には楽しいデザインがたくさんあります!
特に衣装のデザインは記号のように機能することがありますので、少し覚えておくだけでも内容がとてもわかりやすくなります。
今日はそのようなお話をいたしますから、ひとつ覚えていただけたらうれしく思います(人'v`*)
ヘビ化をあらわす記号
まずは以前お話した京鹿子娘道成寺の流れについてご一読ください(o´v`)ノ
鐘供養の道成寺に訪れた白拍子花子は、舞っているうちに清姫の亡霊の本性をあらわし、恐ろしいヘビの姿へと変化しましたΣ(・□・;)
非常にファンタジックな展開ですね!
もし現代の感覚でこのお話を舞台の上に描き出すならばおそらくヘビの姿はリアルなもので、
CGのプロジェクションマッピングやらロボットやらで精巧に作ってしまうんだろうなぁと思います。
しかし江戸の人のアイディアはもっともっとスタイリッシュなんです(n´v`n)
鱗文様
それは、三角形を連ねた鱗文様という模様を記号として用いるというものです。
この模様を使った衣装をつけることで、鱗に覆われたヘビの体をあらわします。
余計な説明を削ぎ落とした美しさを感じませんでしょうか(人'v`*)
このかぶきねこのイラストでも、京鹿子娘道成寺の鱗文様の衣装が描かれています!
5人のねこたちが、ヘビの体のようになだらかな山形を作っていますね(´▽`)
実は、この鱗文には厄除けの意味もあるのです。
死者を悪霊から守ったり、女の心にある魔性を鎮めるための呪術的文様として使われてきたそうですが、
女性はどれほど恐ろしいものと思われていたのかと少しおもしろいような気もします(*´艸`)
美人だと思ったら実はモンスターだった、
という衝撃的な展開の舞踊は他にもいろいろとあります。
もし美人が鱗文様の衣装を着けていたら
正体は鱗を持った恐ろしい生き物かもしれない、と思ってくださいね(o´v`)ノ