歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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やさしい石切梶原 その一 ヒールのはずがヒーローに

2017年のお正月芝居も千穐楽が目前ですけれども、

大阪松竹座で行われている公演の演目についてのお話をしそびれておりました!

中村橋之助改め 八代目中村芝翫襲名披露

中村国生改め 四代目中村橋之助

中村宗生改め 三代目中村福之助 襲名披露

中村宜生改め 四代目中村歌之助

壽初春大歌舞伎

おめでたい襲名披露狂言のうち「梶原平三誉石切」について、

少しばかりお話したいと思います。

今回初めてご覧になった方のお役に立てればうれしく思います(人'v`*)

元は人形浄瑠璃

1730年(享保15)2月に大坂の竹本座で

三浦大助紅梅幉靮(みうらのおおすけこうばいたづな)」

という題名で初演された人形浄瑠璃の作品です。

 

舞台は源平合戦の時代

平家を倒すため兵を挙げたもののいったんは破れた源頼朝が

再び平家討伐のために挙兵するまでを、

三浦大助一門や父・源義朝の家臣のお話などを盛り込みながら描いたものです。

「東鑑」「源平盛衰記」などで描かれた伊豆挙兵の史実をもとにしています。

しかしこれについてはご存知なくともなんら問題はありませんのでご安心ください(人'v`*)

 

この作品は全部で五段という長いお話ですが

中でも三段目にあたる場面が特に人気で、

梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)」

という題名で現在も繰り返し上演されています。

石切梶原(いしきりかじわら)」と通称され、上演頻度も高い人気の狂言です。

 

石切梶原の主役は梶原平三景時

義経との確執があったとされる人物のため、

歌舞伎ではしばしば敵役として登場しますが

この石切梶原では一転

情深く知恵もあるかっこいいさむらいとして描かれていますΣ('0'o)

 

立派な芝翫さんの襲名披露狂言としてぴったりな演目ですね!

次回に少し続きます…

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