本日は歌舞伎座三月大歌舞伎の千穐楽でありました!
\おめでとうヽ(。>▽<。)ノございます/
すえひろは渡海屋・大物浦の見納めにと、歌舞伎座へ出かけておりました。
ご年齢を考えるともしやこれが最後となるかもしれないと思い、贅沢ですけれども花道横のお席に(人'v`*)
とにかく…これまでに見たどの知盛よりも美しく、気高いお姿でありました…。。
幕見席では何度も動きを確認していたので、今日はせっかく間近ということもあり、
仁左衛門さんの型を振り返りつつ表情のひとつひとつを噛み締めて拝見しておりました。
義太夫を飲み込み、身体と心の全てを駆使した上で、かくも繊細に描かれていたのか…!
とその芸の深みに改めて圧倒され、魂が震えるようでした。
出陣の折、花道でのキラキラ光る目には希望、不安、怨みがさまざま入り混じっていて、
私は先の悲劇を思って(あぁこの人の志が叶わないのは、何故なんだろうか…)とやり切れなさのあまり既に涙が溢れました。
満身創痍、まさに怨霊のごとき心に変わった知盛が
帝からの「義経が情」との言葉を受けた瞬間に、じわりじわりと上体を上げてゆく瞬間。
その背中から放たれている悲壮に胸打たれ…
身体のわずかな角度の変化によって、あんなにも涙が溢れるとは思いませんでした。
知盛の役には猛々しく勇壮なさむらいの風格が必要かと思います。
その点では仁左衛門さんは線が細く、ニンではないという意見も理解できます。
しかし新中納言知盛は帝を第一に思い、気高く潔く消えてゆこうするたいへん高貴な誇り高き方でもあるわけで、
仁左衛門さんはまさしくそんな美しき知盛を体現されていました。
その美しさというのは、見た目のことだけでは決してないのです。
怨霊であり…仏であり…
その間を行き来する仁左衛門さんの全身全霊の芝居が目の前にあることを、本当にありがたく思いました。
私は仁左衛門さんファンになるには生まれる時代が遅すぎましたけれども、
こんなにも素晴らしいものを見せていただいて、しかもそれを数十年のちに語り継ぐことができるなんて…
なんて幸せものなのだろうなと心底思っております。
夜には助六を幕見してスカッとして終わることができましたが、
今は知盛の思い出で胸がいっぱいになっているので、その時のことは改めてお話したいと思います(人'v`*)