歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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やさしい伽羅先代萩 その一 伊達騒動を題材に

ただいま歌舞伎座で上演中の團菊祭五月大歌舞伎

七世 尾上梅幸 二十三回忌
十七世 市村羽左衛門 十七回忌と銘打たれた公演で、
古典歌舞伎の名作が揃ったみごたえたっぷりのものです。

そのなかから夜の部「伽羅先代萩」について、少しばかりではありますがお話したいと思います。

大作ですのでほんのさわり程度になってしまいますがお手柔らかにお願いいたします(人'v`*)

読み方にご注意

題名は伽羅先代萩

「きゃらせんだいはぎ」と読みたいところですけれども、こちらは「めいぼくせんだいはぎ」と読みます(人'v`*)

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大人気のお家騒動

この演目は1777年(安永6年)大坂で初演されております。

お話は江戸の前期に起こった「伊達騒動」という名前で知られる伊達家のお家騒動をモチーフにしたもの。

 

ざっくりとお話するとこういったものです。

仙台伊達家の伊達綱宗は、遊興に耽って放蕩三昧。

ついに幕府から隠居を命じられてしまいました…

伊達家は、まだ2才というあまりに幼い亀千代が相続することに。

大叔父・伊達宗勝が後見となり、家老・原田甲斐と結んで実権を握ります。

これに対して保守派の伊達安芸らから不満が爆発!

幕府に訴え出て、お家騒動に発展したのでした。

 

この騒動への興味で世間は大騒ぎになり、歌舞伎やら人形浄瑠璃やらでたくさんのお話が作られました。

仙台藩が揉めてるらしいわよ、大変よ、などという世間話が遠く大坂の地まで広まって、お芝居がいろいろと作られてやんややんやと盛り上がっていたとは。

 

いつの世も、お他所の揉め事というのは人々の興味をそそるものなのですね。
立派なおさむらいさん達のトラブルなら一層気になったのでしょう。

そんなふうに思うと、なんだか縁遠いように思ってしまう伝統芸能の世界にも親しみがわいてきますね(*´艸`)

時代設定は鎌倉時代に

とはいえこの時代は、実際の事件を実名のまま上演してしまうと幕府から厳しくしかられてしまいます。

そのため露骨にならないよう、鎌倉時代の人物に置き換えて脚色されています。

芝居がそのまま史実だと思われませぬようご注意くださいね(人'v`*)

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