ただいま歌舞伎座で上演中の六月大歌舞伎!
今日も夜の部「曽我綉俠御所染(御所五郎蔵)」について少しばかりお話したいと思いますので、
何らかのお役に立てればうれしく思います(´▽`)
その一
両花道にずらりと並ぶ男たち
御所五郎蔵のたいへん有名な場面といえば冒頭の五條坂仲之町甲屋の場であります!
御所五郎蔵と星影土右衛門がそれぞれの子分をずらりと引き連れて両花道で対峙し、
ツラネと呼ばれる七五調の美しいセリフが続いてゆく華やかで爽快な場面です。
この部分の場面設定は京都の五條坂ということになっているのですが、
実際の舞台上には江戸の新吉原をイメージした世界が作られています。
御所五郎蔵の衣装も見どころですから、よーくご覧くださいね(人'v`*)
「曽我」とタイトルにあるのはもしや
この場面での御所五郎蔵の名セリフに
悪事千里の虎が雨
抜き身の降ったその晩は
しかも五月二十八日
曽我兄弟が討入りに
似た喧嘩から名を売って
綽名に呼ばれる御所五郎蔵
というものがあります。
この中に出てくる5月28日というのは曽我兄弟の仇討ちの日なのです。
曽我兄弟についてはこちら
歌舞伎の世界には「実ハ曽我五郎」がたくさんいますから、
御所五郎蔵も「五郎」と名がついているし、実ハ曽我五郎なんじゃないのかな…?
と思いたいところですけれども、そうではないようです。
俺は曽我兄弟の討ち入りの日に起こした喧嘩で名を売ったんだぞ、と言っているだけであります。
とんだトラップですね(*´艸`)
御所五郎蔵という名前は、曽我兄弟仇討ちに関係している武将・御所五郎丸から取られたのだそうです。
この人は曽我五郎を組み止めたとも、兄弟を工藤祐経の寝床に案内したともいわれています。
なんでも、神奈川県にはお墓があるようです。一度お参りしてみたいものです(n´v`n)