まもなく千穐楽を迎える六月大歌舞伎
今月は新歌舞伎の作品が2本も上演されていましたね!
昼の部「名月八幡祭」
夜の部「一本刀土俵入」
こちらの2本が新歌舞伎というジャンルのものです。
今月初めてご覧になった方はもしかしたら、
「あれっセリフが随分わかりやすいなぁ」
「他の演目より気持ちに共感しやすいなぁ」
などとと思われたかもしれません(´▽`)
江戸から近代へのかけ橋のような存在である新歌舞伎。
そもそもどんなものなのか?
というのは以前お話ししておりますのでぜひご一読ください。
新歌舞伎とは?
少しばかりではありますが、今月の2本の概要をお話したいと思います。
名月八幡祭
大正7年初演 作・池田大悟
本当にざっくりとお話をまとめますと
1:越後からやってきた縮屋新助が、
2:深川芸者の美代吉に純情を裏切られ、
3:逆上してしまう
というものです。
ストーリーの作りや人物の機能に、西洋演劇の影響が強く現れています。
一本刀土俵入
昭和6年 作・長谷川伸
新歌舞伎の中でも新しい作品です!
こちらも本当にざっくりとお話をまとめますと
1:横綱という大きな夢を持った無一文の若者・茂兵衛が、
2:ひょんなことから宿場女郎のお蔦の真心にふれ、
3:歳月が経ち夢破れて再会するも…
というものです。
一本刀土俵入は歌舞伎だけでなく新国劇や大衆演劇などにも取り入れられています。
なんと歌謡曲にもなっているんですね!
歌謡曲というのも、なんだかとてもいいものですね。
歌詞の言葉が胸にしみてきます(n´v`n)
新歌舞伎には、江戸から近代への作り手・受け手双方の思想の変化が現れています。
歌舞伎は古いもののようでいて、いつの時代も絶えず変化している生きた演劇なのですね。