ただいま歌舞伎座にて上演中の七月大歌舞伎!
夜の部「駄右衛門花御所異聞」は海老蔵さんとご子息のカンカンこと勸玄君の宙乗りで大きな話題となっていますね。
このお話のキーパーソンであります日本駄右衛門について少しばかりお話しております(´▽`)
日本駄右衛門の出で立ちのルーツ
前回のお話では歌舞伎登場人物事典「秋葉権現廻船語」の項をメインにしてお話していましたが、
日本駄右衛門といえばやはりイメージされるのは白浪五人男のリーダーという姿ですので「青砥稿花紅彩画」の項も読んでみました。
すると、日本駄右衛門のど派手な出で立ちのルーツがわかりました(人'v`*)
東海道を荒らしまわった、日本左衛門と異名をとった大泥棒・浜島庄兵衛。
彼の物語は講談・実録などを通じて人々の間に広く知れ渡っていたそうで
「東海白浪」などの通称で親しまれていました。
今も昔も本当に人というのは、大事件やスキャンダルへの興味が尽きないものなんですね。
この「東海白浪」に出てくる登場人物を沢山描いていたのが三代目歌川豊国でありました。
そんな豊国の絵をまとめた豊国漫画図絵の中にある一枚「日本左衛門」こそが、
日本駄右衛門の直接のモデルとされているのだそうです。
参照:国立国会図書館デジタルコレクション - 豊国漫画図絵 日本左衛門
百日鬘をつけて太刀をくわえ、
船から海へとザバーンと飛び込まんとする瞬間を描いたなんともカッコいい絵ですね!
お顔は四代目中村芝翫の似顔だそうです。
なんだか当代の芝翫さんにも少し似ています(´▽`)
いかにも悪そうで、
それでいてかなり派手で目立ってしまうこのカッコいい出で立ちが、
日本駄右衛門の拵えのルーツだったんですね!
とても歌舞伎的で大好きですヽ(。>▽<。)ノ
今月の幕見席