先日、大阪松竹座にて
七月大歌舞伎の夜の部「盟三五大切」を見てまいりました(人'v`*)
このお話の重要なキーワードとして登場した
五大力(ごだいりき)について少しばかり調べてみましたのでお話してみたいと思います。
恋のおまじない「五大力」
今からちょうど300年前くらいのの享保・元文年間、
五大力菩薩という仏様の信仰が流行していたのだそうです。
五大力菩薩というのはそもそも密教で信仰されていた五人の仏様たちで、
忿怒形と呼ばれるものすごく恐ろしいお顔をしています(・_・;)
三宝(仏・法・僧)という仏法を護持する王様のところへ、
自分から赴いてその王様の国を守ってくださる仏様だと伝えられてきました。
そんなところから昔の人々は、
五大力菩薩による封印なら特別なパワーが宿るんじゃないか…と考えたようで、
大事な文書の内容が外に漏れないよう紙の継ぎ目や裏印として
「五大力菩薩」という印文が使われるようになっていったのだそうです。
その強力な護りの効力から、泥棒よけの護符としても使われるようになりました。
五大力菩薩は「封じ目菩薩」等とも呼ばれるようになり、
ラブレターなど大事な手紙の封じ目に「五大力」と書いておけば
五大力菩薩さまがしっかりと護ってくださり、
誰にも開封されることなく相手に無事届く…
と信じられるようになってゆきました。
そんなところから発展し、
恋する女性達の間でも「五大力」のおまじないが流行します!
これは本当に現代では思いもよらないすごい発想なのですが、
三味線やかんざしなどの身の回りのものに「五大力」と書くことで、
好きな男性への貞操の誓いとしたのだそうですΣ('0'o)
盟三五大切では、
小万が源五兵衛に対して「私はあなただけのものですよ」と思いこませるため
体に「五大力」と彫り物をしていました。
個人的な感覚ですと結構引いてしまうのですが、
当時としては最大限の表明だったのでしょうね。
語感と文字の形がやや可愛さに欠けるように思いますが
「五大力」のおまじないがが再び流行ったら
五大力シールや五大力スマホケースなどさまざまなグッズもできそうで
とてもおもしろいのになぁと思いました(*´艸`)