今月歌舞伎座で上演されていた秀山祭九月大歌舞伎!
今回の夜の部「ひらかな盛衰記 逆櫓」では、
遠見と呼ばれる特殊な演出法が使われていました。
どんなものなのかお話いたしますので、なにかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)
遠近感の作り方が斬新!
遠見(とおみ)というのは歌舞伎ならではのおもしろい演出方法です。
「登場人物が遠くにいる」ということを表現するため、
なんとそっくり同じ恰好をさせた子役を舞台に登場させるのです!
登場人物を物理的に小さくして、舞台の上に無理やり遠近感を生み出してしまおうという斬新すぎる発想です。
さっきまで渋い役者が演じていたゴリゴリの武者と同じ格好をした子役が現れて、
何食わぬ顔でその役を演じるというなんともいえぬ面白さがあります(*´艸`)
昔の人の考えることはやっぱりおもしろいですね(´▽`)
歌舞伎は常に斬新な発想でいろいろなものを受け入れてきたのだなぁと
そのおおらかさにほっこりします。
今回遠見が使われていたのは、
船頭松右衛門 実は 樋口次郎兼光が逆櫓の技を教えるために
船頭3人とともに船に乗って沖へ出て
「やっしっしーやっしっしー」と船を漕ぐ場面であります。
(この部分は上演のたびに必ず遠見になるわけではありません)
この他の演目で遠見が見られる有名な演目は
「一谷嫩軍記~組討」の熊谷と敦盛
「恋飛脚大和往来 新口村」の忠兵衛と梅川
などです。
機会があれば、ぜひご覧になってみてくださいね(人'v`*)