ただいま歌舞伎座で上演中の吉例顔見世大歌舞伎!
夜の部で上演中の「仮名手本忠臣蔵 五段目・六段目」
仮名手本忠臣蔵は全部で十一段に及ぶ長い長い物語であり
お話したくなるようなトピックの尽きない、奥深い作品です。
以前から何度もお話しておりますが、
数ある歌舞伎演目の中でも最高峰の作品ですので今月も少しばかりお話いたします。
なんらかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)
与市兵衛と定九郎
その四では私も大好きな役 斧定九郎のお話をいたしました。
五段目で斧定九郎がおかるの父・与市兵衛を殺す場面についての、
江戸時代の歌舞伎役者のエピソードを発見いたしました(人'v`*)
(国立劇場上演資料集609より)
この場面は現在、
舞台中央にある掛け稲の中にひそんでいる斧定九郎が
何も知らずにひと休みしている与市兵衛の財布を奪ってブスリと刺し殺すという、
なんともおそろしい演出が採用されていますよね(・_・;)
実はこの演出は、
早替わりを得意とした器用ものの役者 四代目市川團蔵が
与市兵衛と定九郎を早替わりで演じた際に演出したものをルーツとしているそうなのですΣ('0'o)
この演出は二役早替わりでなくとも効果的なために定着し、
歌舞伎から文楽へと逆輸入されたのだそうです。
五段目を魅力的なものにした役者は、中村仲蔵だけではなかったんですね(´▽`)