先日のお話ですが、
ただいま歌舞伎座にて上演中の十二月大歌舞伎
第二部・第三部を続けて見てまいりましたヾ(。・ω・)ノ
三部制はなんとなく二部制よりもライトな感覚で見ることができますが、
第二部・第三部と続けると通常の夜の部よりも実際の時間は長いわけで
それなりに体力が必要なんだなぁと思いました。
なめてしまっていたんだなぁと反省しております(ノv`*)
今月はなんとなく歌舞伎座に活気があるようですね。
第二部は「らくだ」で大笑いが起きたり
「蘭平物狂」の大立回りで歓声が上がったりと
客席は大いに盛り上がっていました!
そんな今回の芝居見物の中で強く印象に残ったのは
第三部の「瞼の母」であります。
私は三階席から見ておりましたが、
遠くにある舞台で繰り広げられている芝居を見ているというより
クローズアップなどのカメラワークを駆使した一本の映画を見るような思いがしました。
中車さんの忠太郎と玉三郎さんのおはま、
それぞれの胸の内の一筋縄ではいかない思いの切なさ…
どちらもぐっと胸に迫るものがありました。
そして梅枝さんのお登世のまっすぐな優しさは、
愛されて育ったからこそなのだろうと感じられ、
忠太郎にとって残酷なものにも思えます…。
新歌舞伎のなかでは長谷川伸作品のなんともいえない余韻が好きです。
切ないのですがただ単に悲しいのではなくて
じんわりと心が温まるようなやさしさを感じます(n´v`n)
そんな長谷川伸のことを考えていたらおもしろそうな本を見つけました!
ぜひ読んでみたいなと思っています。
長谷川伸の劇というのは歌舞伎ばかりでなく
様々な媒体でたくさんの日本人に愛されてきたものであります。
その根底に流れているのは「義理と人情」という概念です。
「義理と人情」という概念はややもすると前時代的なもので
未来の日本では完全に失われてしまうものなのかもしれませんが
こうした名作が残っていれば、その心を伝えることができるんですね。
現代の人間が過去の人々の心のありようを表現できるなんて、
芝居というのは素晴らしいなぁとつくづく思います!
数十年後、新しい時代の歌舞伎の上演が増えて
近代に生まれた新歌舞伎がすっぽりと埋まってしまい
長谷川伸作品の上演の機会が激減してしまうようなことがないよう
「長谷川伸作品は素晴らしい!」と声を大にしてアピールしようと思いました(´▽`)