ただいまロームシアター京都にて上演中の
京の年中行事
當る戌歳 吉例顔見世興行
中村橋之助改め 八代目 中村芝翫 襲名披露
中村国生改め 四代目中村橋之助
中村宗生改め 三代目中村福之助 襲名披露
中村宜生改め 四代目中村歌之助
いよいよ新芝翫さんと三人のご子息、四人同時襲名の舞台が
京都の顔見世へとやってきましたね(人'v`*)
芝翫さんの襲名披露狂言の一つとして
夜の部「人情噺文七元結」があります!
こちらの演目はわかりやすいものなので蛇足ではありますが、
少しばかりお話したいと思います。
「人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)」は、
三遊亭円朝の落語「文七元結」をもとにして
明治時代に作られた歌舞伎の演目であります。
元結は「もとゆい」でなく「もっとい」と読みますよ(´▽`)
三遊亭円朝という方は天保の世に江戸に生まれた噺家ですが、
紙屋へ奉公したり、浮世絵を学んだり、仏教の修学に励んだりといった
落語とは異なるキャリアを沢山重ねた人物でもあります。
そんな経験を活かして怪談噺や人情噺など数々の噺を創作していますが、
なかには歌舞伎の演目となっているものも数々あります!
代表的なものは
『真景累ヶ淵(かさねがふち)』
『怪談牡丹灯籠(ぼたんどうろう)』
『怪談乳房榎(ちぶさえのき)』
の長編怪談噺三部作で、いずれも歌舞伎として上演されています。
ただ単にお化けが怖いのではなく、人間の業を見せつけられるようで
深い余韻の残るお芝居です。
こうした怪談噺の中で描かれている「因果応報」「輪廻」といった発想は、
円朝が仏教に深く通じていたことから生まれたようであります。
怪談系の演目は夏の興行で上演される事が多いので、
もしかしたら来年や再来年の夏あたり見ることができるかもしれませんね!
上演の楽しみに待ちましょう♪
「人情噺文七元結」はシネマ歌舞伎化もされています。
ちょうどこのシネマ歌舞伎には、先代の芝翫さんがご出演ですね!
おもしろいはずですのでぜひご覧くださいませ(´▽`)