新進気鋭の若手劇評家・中村達史さんの
初の書籍「若手歌舞伎」が発売されています!
染五郎さん、菊之助さん、猿之助さん、海老蔵さんといった40代の方々を中心とした
これからの歌舞伎界の軸となっていく若手世代の方々についての役者論と
平成27年2月の「陣門・組討」など数篇の劇評が収録された書籍です。
初心者の方への入門書ではなく歌舞伎を見慣れた方向けの書籍ですが、
初心者の方であってもお好きな役者さんがおいでの方には
ぜひ一度お読みいただきたいものです。
役者論には美点だけでなく、課題も記されています。
しかしそれらは誠実な研究・考察に基づいた歌舞伎愛溢れるものであって、
一般書店の狭い歌舞伎コーナーに入門書ばかりが並び
こうした書籍を手にする機会が減ってしまっている昨今において、
非常に貴重に感じられるのです。
演劇評論家 和角仁さんの元で長らく修行を積まれた著者の中村達史さんは、
何を隠そうこのすえひろの大切な芝居仲間!
数少ない同年代の芝居仲間であり、
中村さんが劇評家を目指す前から
歌舞伎座地下の木挽町広場で日夜熱い芝居談義に明け暮れ
歌舞伎漬けの青春を共にした、心の友というべき方であります。
20代にして劇評家の道を志した中村さんの歌舞伎への情熱は
まさしく人生をかけたものであり、
この末廣などには到底まねできぬ努力の道の最初の一歩が形となったもので、
書籍のお話を伺ったときにはもう、猛烈に感激いたしました。゚゚(´□`。)°゚。
amazonほか全国の書店に流通される予定のようですので
ぜひともお手にとってみてください!!
重要な役割を担う方々が相次いでこの世を去ったいま歌舞伎の世界は過渡期にあり、
80年代以降に生まれた方が「今現在の」歌舞伎をしっかりと記憶に残す、
そしてそれをきちんとした形で伝えていく、ということが
4~50年後の歌舞伎の世界に大きな意味をもたらすはずと信じています。
そうした意味でも将来への大事な記録として、
宝物の一冊としたいと思います!