ただいま歌舞伎座で上演中の十二月大歌舞伎!
第一部「実盛物語」はしばしば上演される有名な古典演目ですので、
少しばかりお話いたします。
何らかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)
実盛のダンディ伝説
実盛物語は1748(寛延2)年の11月
大坂は竹本座にて初演された人形浄瑠璃の演目
「源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)」のひとつの場面であります。
源平布引滝は全五段にわたる時代物の浄瑠璃ですが、
そのうちの三段目にあたる部分が「実盛物語」と通称され、今に至るというわけです。
源平布引滝は文字通り源平の世を舞台とした物語ですが、
素材となるお話はふたつあるようですね。
ひとつめはお馴染みの「平家物語」
実盛物語で描かれている齊藤実盛と幼い手塚太郎の交流が、
平家物語にある悲劇的な逸話へと繋がるようになっています。
もう一つは『源平盛衰記』
平家物語をより詳細に増補改修していたら、
ボリュームが3倍にもなってしまった!
という驚きの異本であります。
平家方の齊藤実盛が温情で、
源氏・木曽義賢の遺児 駒王丸(のちの義仲)の命を助けてあげ
信濃へと落ち延びさせてあげる…という
男気に満ちた世にもかっこいいエピソードは
ここから取材されているようですよ。
とにもかくにも齊藤実盛といえば
ものの道理をわきまえたダンディなさむらい!
かっこいい武士の生き様!
男の中の男!
というように描かれるのが基本であり、
「実盛物語」も、実盛のかっこよさに惚れ惚れとするためにある演目といっても
過言ではないのではと思います(´▽`)
二段目にあたる部分が「義賢最期」と通称される演目となっているのですが
義賢最期についてはいろいろとお話したいこともありますから、
これはまた上演があった際のためにとっておきたいと思います(*´艸`)