歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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やさしい実盛物語 その一 実盛ダンディ物語

ただいま歌舞伎座で上演中の十二月大歌舞伎

第一部「実盛物語」はしばしば上演される有名な古典演目ですので、

少しばかりお話いたします。

何らかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)

 

実盛のダンディ伝説

実盛物語は1748(寛延2)年の11月

大坂は竹本座にて初演された人形浄瑠璃の演目

源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)」のひとつの場面であります。

 

源平布引滝は全五段にわたる時代物の浄瑠璃ですが、

そのうちの三段目にあたる部分が「実盛物語」と通称され、今に至るというわけです。

 

源平布引滝は文字通り源平の世を舞台とした物語ですが、

素材となるお話はふたつあるようですね。

 

ひとつめはお馴染みの「平家物語

実盛物語で描かれている齊藤実盛と幼い手塚太郎の交流が、

平家物語にある悲劇的な逸話へと繋がるようになっています。

 

もう一つは『源平盛衰記

平家物語をより詳細に増補改修していたら、

ボリュームが3倍にもなってしまった!

という驚きの異本であります。

 

平家方の齊藤実盛が温情で、

源氏・木曽義賢の遺児 駒王丸(のちの義仲)の命を助けてあげ

信濃へと落ち延びさせてあげる…という

男気に満ちた世にもかっこいいエピソードは

ここから取材されているようですよ。

 

とにもかくにも齊藤実盛といえば

ものの道理をわきまえたダンディなさむらい!

かっこいい武士の生き様!

男の中の男!

というように描かれるのが基本であり、

実盛物語」も、実盛のかっこよさに惚れ惚れとするためにある演目といっても

過言ではないのではと思います(´▽`)

 

 

二段目にあたる部分が「義賢最期」と通称される演目となっているのですが

義賢最期についてはいろいろとお話したいこともありますから、

これはまた上演があった際のためにとっておきたいと思います(*´艸`)

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