ただいま歌舞伎座で上演中の三月大歌舞伎!
昼の部で上演されている「国性爺合戦」に関するいろいろを
この機会に少しばかりお話したいと思います。
なんらかのお役に立てればうれしいです(人'v`*)
荒事のヒーロー「和藤内」
その二では、和藤内のモデルとなった
実在の英雄鄭成功についてお話いたしました!
鄭成功は明と日本のハーフで、
明の再興のため奮闘し中国・台湾にその名を轟かせた人物であります。
その活躍ぶりは「明清闘記」などの書物で日本にも知られることとなりました。
そして、盟友の初代竹本義太夫を亡くした近松門左衛門が
竹本座の未来のための新たなる一手として「国性爺合戦」を書き上げ、
足かけ三年にわたるロングランヒットを記録!
現代まで伝わる名作となったわけであります。
実際の鄭成功がどのような人柄であったのかはわかりませんが、
歌舞伎における和藤内は典型的な「荒事」と呼ばれる演出で
少年のような心をもって若々しく一本気に演じられます。
荒事というのは本当にざっくりとご説明しますと
隈取をドーンと施してババーンと見得をする、
歌舞伎をご覧になったことのない方も「これぞ歌舞伎!」と感じるような
ど派手なキャラクターのことであります。
荒事の役柄は他にもいろいろとあるのですが、
一つの演目で飛び六方を2回も踏む役柄というのは
この和藤内の他にはないと言われているのです。
まさしく規格外の活躍を見せる和藤内にぴったりの演出ですね。
隈取や六方、見得などの典型的な演出が
ドカンドカンと盛り込まれた「国性爺合戦」は、
初めて歌舞伎をご覧になる方にもうってつけの演目ではないでしょうか(´▽`)
参考:歌舞伎登場人物事典