ただいま歌舞伎座で上演中の三月大歌舞伎!
夜の部「滝の白糸」は歌舞伎座の舞台ではなかなか見られない演目ですので、
この記念に少しばかりお話をいたします。
なんらかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)
新派の当り狂言
「滝の白糸(たきのしらいと)」は
泉鏡花の短編小説『義血侠血』を基にしたお芝居です。
泉鏡花の作品といえば「天守物語」「海神別荘」など
これまでも玉三郎さんが多く手掛けていらっしゃいますね。
夢のように耽美でありながらもリアルな感覚で胸に迫ってくるような
不思議な魅力に惹きこまれます。
『義血侠血』から脚色された「滝の白糸」は、
明治時代から昭和にかけて新派の当たり狂言として好評を博しました。
月之助さんが襲名されて現在にも残る名跡・喜多村緑郎も滝の白糸を勤めています。
そもそも新派というのは、
江戸時代に生まれた歌舞伎を「旧派」ととらえたところから生まれた言葉で
明治の新たなる時代の息吹を取り入れ、女形も女優も活躍するという、
当時としては非常に革新的な演劇であります。
歌舞伎座130年の年に新派の名作が上演されるというのは
近代の演劇人たちに思いを馳せる身としては胸が熱くなる出来事でした。
新派の演目というのはこの「滝の白糸」もそうですが
女性としてのたしなみ・わきまえのようなものがとても美しく、
歌舞伎とはまた異なる魅力にあふれています。
溝口健二監督のサイレント映画「瀧の白糸」も傑作として名高いものだそうです。
なんと1933年の作品!近代の香りがたまりませんね。
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