ただいま歌舞伎座で上演中の四月大歌舞伎!
昼の部「裏表先代萩」では菊五郎さんが
時代物の極悪人・仁木弾正と世話物の悪党・小助の2役をお勤めになり
時代・世話の巧みな味わいの変化を見せてくださいます。
政岡にもモデル説
先代萩の大役といえば仁木弾正のほかにもあり、
我が子を目の前で殺されても表情一つ変えない鋼の忠義心を持つ乳母・政岡は
数ある女形の役のうち最高峰のひとつとされています。
伊達騒動という江戸時代の御家騒動が元ネタとなっているというのは
その二でもお話いたしました。
伊達騒動では幼い亀千代君が毒殺されそうになったという
大変な事件があったそうなのですが、
このとき亀千代君を守り抜いた生母が綱宗の側室三沢初子という女性です。
東京中目黒にある正覚寺には三沢初子のお墓が建立されており、
お寺の境内にはなんと3mを超える巨大な三沢初子の銅像が建てられています。
実はこの三沢初子こそが、
乳母として我が子を犠牲にしても若君を守り抜く政岡のモデルである
という説があります。
そのため境内の巨大な三沢初子像はなんと
歌舞伎役者が扮する政岡がモデルになっているという、
おれがあいつであいつがおれで的な現象が起こっています。
その役者というのが、
明治大正の名優六代目尾上梅幸(歌舞伎登場人物事典の説)とも
六代目梅幸の弟子の尾上梅朝(目黒区の説)とも言われており、謎が深まります。
近くへ出かけた際にはぜひお顔を確かめてみたいですね(´▽`)
アクセス
参考:歌舞伎登場人物事典/目黒区