歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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2018GWのおすすめ:江戸東京博物館「写楽の目・恋する歌麿」

いよいよ5月の大型連休ゴールデンウィークがはじまりました!

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 

歌舞伎座はちょうど四月興行と五月興行の間ですが、

この連休を機に東京へお出かけの方もおいでかと思います。

東京は歌舞伎にまつわる小さなスポットがあちらこちらにあり

いろいろと想像しながら歩くととてもおもしろい街です(n´v`n)

 

今回おすすめしたいのは両国駅前の巨大な建造物江戸東京博物館

このゴールデンウィーク

写楽の眼・恋する歌麿-浮世絵ベストコレクション-

というおもしろい展示が企画されています。

 

 

江戸東京博物館のロゴマークをよくご覧になってみてください。

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どこかで見たことがあるような…

と思われる方もおいでではないでしょうか。

 

 

 

これは実は

東洲斎写楽「市川鰕蔵(えびぞう)の竹村定之進」

力強く見開かれた目をモチーフとしたもの!

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Home | The Metropolitan Museum of Art

(この写真はニューヨークのメトロポリタン美術館所蔵の作品です)

 

写楽の傑作として知られる世界的にも大変有名な絵ですから、

教科書やおみやげものなどでご覧になったことのある方も多いはずです。

 

 

寛政6年5月江戸・河原崎座「恋女房染分手綱」に出演した

江戸時代の随一の名優・市川鰕蔵(五代目團十郎)の姿が、

写楽独特のタッチで生き生きと描かれたこの絵。

江戸東京博物館ではこの力強い目に博物館に訪れる人の驚きや好奇心を重ね、

ロゴマークとして採用したのだそうです。

 

1993年の江戸東京博物館開館以来じつに25年程の歳月をかけて

ようやくこの絵の収集が叶ったそうで、

現在「写楽の眼・恋する歌麿-浮世絵ベストコレクション-」と題して

常設展の一角にて初公開されています!

 

 

このすえひろも先日拝見してまいりましたところ、

書籍などではわからない新たな発見がたくさんありました。

 

写楽の大首絵の大きな特徴である「雲母摺り(きらずり)

雲母や貝殻の粉を使って表面に光沢を持たせる手法のことです。

これは写真集などの印刷ではどうしてもつぶれてしまいますが、

実物を見てみると、本当にキラキラと輝いていたんだということがよくわかります。

 

また、海外の美術館所蔵のものよりも摺りの質や劣化がひどく、

裏側には歌舞伎役者の似顔の落書きまでされていました。

その状態の悪さがとても豊かなことに思え、興味深かったです。

 

町の人が楽しみとして購入して、ぽいぽいと適当に保管して、

「俺ァこいつなんかよりうまく描けるんじゃねェかな、ちょいとやってみようか」

なんて思いながら、

裏側にちょろちょろっと描いてみたんだろうな…

と想像が膨らみ…ものすごく楽しくなりました。

 

浮世絵が海外で先に評価されたことに対して

「江戸の庶民は浮世絵の美的価値がわかっていなかった、皮肉なことだ」

という見方もあるのですが、

庶民の娯楽として生きていたことそのものが風俗としての「価値」なのであって

それはそれで大きな魅力で、とても贅沢で豊かで、

決して卑下することではないのではないかなと私は感じました。

 

展示の会期は5月6日(日)までです!

www.edo-tokyo-museum.or.jp

 

江戸博にはほかにも江戸時代の芝居小屋・中村座の原寸復元模型

團十郎さんの声が聞ける助六人形、東海道四谷怪談の仕掛けの模型などなど

おもしろい展示が満載で、歌舞伎ファンにとってはもう興奮必至であります!!

 

加えてこのあたりはわたくしのふるさと、

江戸の史跡もちらほらある楽しい場所ですのでぜひお出かけください(人'v`*)

アクセス

今年も超歌舞伎を見逃しました…

余談ですが28日・29日と

ニコニコ超会議にて上演されていた超歌舞伎「積思花顔競

今年こそ!と意気込んで生中継を拝見しておりましたが、

混雑で10分ほどで締め出されてしまい、結局見ることができませんでした…

混雑時はプレミアム会員の方にお譲りしなければならないのだそうです。

大変無念であります。゚゚(´□`。)°゚。

 

画面上、右から左へ文言が次々に流れてきて戸惑っておりましたが

「88888」というのは「パチパチパチ」、すなわち拍手であると

気が付いた時のよろこびは忘れません。生きた日本語のおもしろさを体感できました。

来年も上演がありますように、必ず見られますようにと願っております!

www.kabuki-bito.jp

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