歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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やさしい雷神不動北山櫻 その二 歌舞伎十八番が3つ

ただいま歌舞伎座で上演中の

團菊祭五月大歌舞伎
十二世市川團十郎五年祭

十二代團十郎さんがこの世を去られてから五年の追善として

ご子息の海老蔵さんが当たり役をお勤めになり

團十郎さんらしく明るく華やかな興行となっています!

 

そんな今回の團菊祭にちなみ

昼の部「雷神不動北山櫻」について、少しばかりお話したいと思います。

芝居見物のたのしみのお役に立てればうれしいです。

歌舞伎十八番が三つも

雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)は、

全部で五段にわたる長いお話です。

そのうちの

三段目にあたる「毛抜

四段目にあたる「鳴神

五段目に当たる「不動

 が、それぞれ市川團十郎家の家の芸・歌舞伎十八番に選ばれています。

一つのお芝居の中に三つも歌舞伎十八番が含まれるというのは

なかなかに珍しいことであります。

 

カラオケなどで得意の歌を「十八番(おはこ)」などと呼びますが

その語源となっているのが歌舞伎十八番です。

 

超人的ヒーローが大あばれする「荒事」と呼ばれるものを中心に

初代・二代目・四代目の市川團十郎が初演してきた演目を集めて

七代目市川團十郎が家の芸として制定したもので、

有名なところでは「勧進帳」「」などがあります。

 

今月の雷神不動北山櫻に含まれている歌舞伎十八番のうち

毛抜」は近年、何度か単独で上演されています。

毛抜というのは、眉毛やとげなどを抜くご家庭の日用品としてお馴染みの、

まさしくあの毛抜きのことです。

髪が逆立つ謎の奇病を抱えたお姫様が毛抜をきっかけに救われる

という、どういうこっちゃと突っ込みたくなる奇想天外なストーリーであります!

 

毛抜は、単独で上演される場合と、

雷神不動北山櫻の中の一つの場面として上演される場合とでは、

少し違う部分もあるようです。

見比べてみるのも楽しそうですね。

 

参考:新版歌舞伎十八番/新版歌舞伎事典

新版 歌舞伎十八番

新版 歌舞伎十八番

 

今月の幕見席

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