歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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やさしい夏祭浪花鑑 その一 夏の定番といえば

ただいま歌舞伎座で上演中の

歌舞伎座百三十年

六月大歌舞伎!

夜の部「夏祭浪花鑑」はうだるような夏の大坂を舞台にした、男のドラマであります。

大変有名な演目ですので、この機会に少しばかりお話いたします。

芝居見物の楽しみのお役に立てればうれしく思います!

 

夏の定番といえばコレ!

夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)は、

1745年(延享2年)7月に大坂は竹本座で上演された人形浄瑠璃の演目。

早くもその翌月には京都・都万太夫座で歌舞伎として上演されています。

 

しかしながらこの演目には大評判となった元ネタのようなものがあります。

それはさかのぼること47年、1698年(元禄11年)に大坂にて上演された

宿無団七(やどなしだんしち)」であります。

上演の際に「団七」という役を演じていたのは上方のスター初代片岡仁左衛門です。

 

宿無団七」は大変な人気狂言となりそのあともたくさんの派生作品が生まれ

宿無団七物」というジャンルができました。

そのうちのひとつとして、実際に起こった事件を元にして脚色したのが

この「夏祭浪花鑑」であるというわけです。

 

最初の宿無団七からは半世紀近くもの時が経っているのにこうしてアレンジされて、

さらに大評判を取ったというのがなんともおもしろいところです。

それ以来、夏狂言の代表的名作として現在に伝わっています。

 

確かに「夏祭浪花鑑」は理屈抜きにかっこいい演目で、

夏祭りを楽しむ市井の人々の風情や、すがすがしい浴衣姿、

むせかえるような湿気が伝わってくる殺しの場面など、季節感の演出も秀逸です。

 

四季を大切にする日本の芸能らしく

歌舞伎には季節感の演出にこだわった演目がたくさんあります。

夏ならではの演目は「夏祭浪花鑑」や「伊勢音頭恋寝刃」などなど。

四谷怪談」などの怪談ものも暑い夏を涼しく過ごすお約束です。

毎年夏が近づくとこうした夏らしい狂言が選ばれる傾向にあるようです。

来年はなにが上演されるのか、今から楽しみですね!

 

 

参考:新版歌舞伎事典

新版 歌舞伎事典

新版 歌舞伎事典

 

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