早いもので今日で2018年もおわり…
染五郎さん義経の衝撃的な美しさで幕を開けた2018年も、
無事に暮れようとしております。
2013年より毎日続いております「歌舞伎ちゃん」も、早5年半が過ぎました。
お読みくださった皆様へ深く感謝申し上げます。
来年も変わらずに細々続けてまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。
思えば2018年の歌舞伎界は、
ここ数年間の中では比較的明るくうれしいニュースの多い年だったように思います。
来年もうれしいニュースの多い、良い年であるよう心より願っております。
私にとっての2018年最大の思い出はやはりなんとっても、
十月の歌舞伎座の「助六曲輪初花桜」にて仁左衛門さんの助六を拝見できたことでしょうか。
仁左衛門さんの助六は歌舞伎座では実に20年ぶり、
先輩の芝居仲間から思い出話をいろいろ伺っておりましたが、
きっと自分は見れまいと諦めておりましたので、
この目で拝見できるというのはこの上ない喜びです。
あまりにもカッコいい仁左衛門さんの助六にうっとりしながら、
これまでにみた助六の舞台をいろいろと思い返しておりました。
私が初めて見た助六の舞台は、
平成22年の歌舞伎座さよなら公演 御名残四月大歌舞伎でのこと。
これは十二代目團十郎さんの助六に玉三郎さんの揚巻というたいへん豪華なものであります。
菊五郎さんが白酒売り、左團次さんが意休、仁左衛門さんがくわんぺら門兵衛、
三津五郎さんが福山かつぎ、そして勘三郎さんが通人をお勤めになっていました。
今では決して叶わないたからもののような舞台です。
前の歌舞伎座の幕見席から拝見しておりましたので花道は全く見えませんでしたが、
あまりにも豪華な役者陣の肉体からパァーッと放たれている華、
前の歌舞伎座への名残を惜しむ切ない思いと、新しい時代への希望のようなパワーが
もうバシバシと舞台の上から届いてきて、圧倒されたのでした。
あのときは團十郎さん、勘三郎さん、三津五郎さんが時代の軸となり
新しい歌舞伎座でどんどんご活躍される未来しか想像していませんでした。
全く想像していなかった未来が今ここにあるわけですが、
だからこそ、役者の方々がその人生を懸けて挑まれている芝居を
少しでも多くこの目で見届けたいと思っております。
来年はどんな芝居が待っているのでしょうか。
それを楽しみに年越しの時を迎えたいと思います。
どうぞ良いお年をお過ごしください!