ただいま新橋演舞場にて上演中の
初春歌舞伎公演
海老蔵さんとお子様の堀越麗禾さん堀越勸玄さんが
初めて揃って共演なさるという話題のお正月公演であります!
お二人とも本当にしっかりとお話され、舞台に真剣に取り組まれていて素晴らしいですね。
「外郎売」のせりふをすらすらと見事におっしゃる姿には感動いたしました。
今後のご活躍を心から楽しみに思います。
今回の夜の部で上演されている「俊寛」は
この演目についてはこちらのブログでも以前より何度かお話しておりますので、
ここにひとつまとめておきたいと思います。
近松門左衛門の描く人間ドラマ
俊寛は「日本のシェイクスピア」とも呼ばれる作者近松門左衛門の作品であります!
江戸時代に書かれたお話でありながら世界のどの国の人にも伝わるような
普遍的なテーマが描かれており、この上ない知性を感じる名作です。
たった一人、孤島に…裏切りの「鹿ケ谷事件」
俊寛は平清盛の時代に起こった、とある史実の事件を基に作られた物語。
その事件についてざっくりとお話したのがこちらの回です。
是 乗せてゆけ 具してゆけ
そんな鹿ケ谷事件で流罪となった実在の俊寛僧都の人となり、
悲痛な辞世の句、ゆかりの地などをご紹介したのがこちらの回です。
その方の生きた証を知ると、お芝居の世界がより一層の現実味を持って、
胸にぐぐーっと迫ってくるように思います。
ぼろぼろの衣裳、実は…
ご覧になる際ぜひご注目いただきたいのが、俊寛の衣裳です。
一見おんぼろなのですが実は…というもの。
ぜひオペラグラスでご覧になってみてくださいね!
赤い顔=にくたらしい人物
歌舞伎のお約束で、赤い顔をした役柄はにくたらしい、いやな奴である
というものがあり「赤っ面(あかっつら)」と呼ばれています。
今月は俊寛の赤っ面・瀬尾の役を市蔵さんがお勤めになっています。
瀬尾のにくにくしさをどうぞご堪能ください!
海老蔵さんの公演は日頃歌舞伎をご覧にならない方からも大きな注目を集めるものですので、
生まれて初めての芝居見物に出かけるという方も多いのではないでしょうか。
拙い物ですが、何らかのお役に立てればうれしく思います。
成田屋ににらまれると一年間風邪をひかないという言い伝えもありますので、
華やかでにぎにぎしい新橋演舞場のお正月、ぜひお楽しみくださいませ!