先日のお話ですが歌舞伎座へ出かけ、
團菊祭五月大歌舞伎の昼の部を見てまいりました!
せっかくですので少しばかり感想をメモしておきたいと思います。
最初の演目はおめでたい「寿曽我対面」 記念すべき令和初の芝居であります!
松緑さんの祐経に歌昇さんの朝比奈、
曽我兄弟には実のご兄弟である梅枝さんと萬太郎さんという大変お若い配役で、
新しい時代がはじまるのだなあという実感が湧いてきました。
なかでも印象深いのは歌昇さんの朝比奈であります!
今年初めには新春浅草歌舞伎の寿曽我対面でしっとりと兄の十郎をお勤めでしたが
今回はがらりと変わり三枚目かつ上品な朝比奈、素晴らしい存在感でありました。
続いて、平成の三之助がお勤めになる「勧進帳」
弁慶に海老蔵さん、待ち構える富樫に松緑さん、義経に菊之助さんという配役、
こちらもまた新しい時代の象徴のようでありました!
私にとって歌舞伎のなかで一番好きな瞬間といっても過言ではないのが
時しも頃は如月の 如月の十日の夜
月の都を立ち出でて…
という「勧進帳」の音楽の世界の入り口であります。
これを聞くと、もうたまりません。
風景の情報をそぎ落とした松羽目の舞台の上から、
都を追われた道中のシンと冷えた夜の空気がまさに伝わってくるようで、
一行の不安、哀れさに胸が締め付けられ、
たまらなくドラマチックな情景が頭の中に浮かんできます。
そこへ現れた菊之助さんお勤めになる義経の高貴さたるや…
この方を守り抜くためにこの後のドラマがあるわけで、
素晴らしい説得力に圧倒されました。やはり勧進帳は良いですね…
おそらく海老蔵さんが海老蔵のお名前でお勤めになるのは最後ではと思いますが
今回の舞台をずっと覚えていたいと思います。
そして最後の演目にはいよいよ菊五郎さんが登場し「め組の喧嘩」
おすもうさんと喧嘩しようと危険物を手に大暴れする全身和彫りの総入れ墨の男たち…
というけっこうスリリングな情景なのですが、それがたまらなくカッコいいのですよね。
ああ~團菊祭だなぁ~と実感するような痛快かつ爽快な世界でありました!
夜の部も拝見しましたが、長くなりましたので次回へ続きます…