先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけ
七月大歌舞伎の夜の部を拝見してまいりました!
海老蔵さんがご復帰されて芝居見物が叶い、うれしさ半分、
体調への心配が半分という思いでありました…
楽しみになさっている方も大勢おいでのはずですので
内容を詳しくは書くことはいたしませんが、少しばかり感想をしたためたいと思います。
ネタバレ一切NGの方はどうぞこの先をお読みになりませぬようよろしくお願いいたします。
この先、ネタバレの可能性あり
夜の部「星合世十三團」は長い長い物語である義経千本桜の13もの役柄を
海老蔵さん一人でお勤めになり、ぐっとテンポよく仕立てたお芝居。
16時半~21時半まで、劇場滞在時間は実に5時間という大作であります!
拝見するまえには、5時間もの長時間で飽きてしまうのではないか…
しかも13役を早変わりとなるとどうなるのだろうか…などと心配していましたが、
想像していたよりもずっと楽しく、疲れを感じない作品でありました。
この作品で初めて義経千本桜の世界に触れた方にとっては、
いざ古典の義経千本桜に触れる時には非常に役立つ芝居体験となるのではと思いますし、
義経千本桜が好きなこのすえひろにとりましても
なるほどあれがああなってああなるのか!これをこうしてこう見せるのか!という
驚きや新たな発見がたっぷり盛り込まれていたのであります。
この演目を拝見したことにより、
義経千本桜という大作の奥行きの深さを再認識することができ
大変豊かな体験となりました。
とはいえやはり気になるのは海老蔵さんの体力の消耗です…
13もの役を早変わりでお勤めになることは、物理的な大変さのみならず、
次々に違う役を生きなおす心の忙しさも尋常ではないと思われました。
羽二重が透けるほどにしたたる汗のようすを拝見していて、
果たしてご復帰なさって大丈夫だったのだろうかと心配に思ったことも否定できません。
ようやく四の切の幕となり、ここで終わるのかなと思いきや、
最後の最後の瞬間まで楽しませてくださったことに胸が熱くなり…
海老蔵さんを海老蔵のお名前で拝見できる七月はこれきりなのだという一抹の寂しさ、
そして團十郎襲名への大きな期待感でいっぱいになりました。
どうかお命を大切に、今後末長くご活躍していただきたいと切に願います。