歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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昼の部を見てきました! 2019年芸術祭

先日歌舞伎座へ出かけまして、

上演中の芸術祭大歌舞伎 昼の部を拝見してまいりました!

備忘録として少しばかり感想をしたためておきたいと思います。

 

今月の昼の部は華やかな「廓三番叟」から幕を開け、

続く「御摂勧進帳」「蜘蛛絲梓弦」もまたド派手な舞台が続いて

江戸育お祭佐七」でピリッと引き締まるという楽しい狂言立てでありました。

 

先月、非常にシリアスな仁左衛門さんの「勧進帳」をじっくりと拝見したばかりでしたので、

がらりと変わったテイストの「御摂勧進帳」のおもしろさが際立って感じられました。

切った首がごろごろと飛び出すという、現代ではギリギリの冗談も

江戸時代ならではのなんでもありな楽しさであります。

この演目について、今月のうちにいくつかお話できればと思います。

 

最も印象に残ったのはやはり「江戸育お祭佐七

菊五郎さんと時蔵さんが恋人同士をお勤めになる芝居には、

ピンと張った糸のようなたまらないカッコよさがあり大好きです!

お祭佐七の内容を後から冷静に咀嚼して考えますと

あんなに怒らなくてもよかったのでは…落ち着いて…などと思ってしまうのですが、

芝居の最中にはそのようなことは思いもよらず、ただただ夢中になって楽しみました。

とにかく江戸ッ子がカッコよいこと、それだけで充分におもしろく感じられるというのは

何気ないように見えて実はものすごいことなんだなと思います。

また亀三郎さんと眞秀さんの小さなお軽勘平もたまらないかわいらしさでしたね!

しかも、ただかわいらしいだけではなく見入ってしまう魅力があり、

うっかり小糸と佐七のやりとりを見逃すところでありました。

 

夜の部も拝見してまいりましたので、

そちらについてはまた改めてお話したいと思います。

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