本日26日は東京・歌舞伎座で上演されていた芸術祭十月大歌舞伎と
名古屋・御園座で上演されていた第五十回記念 吉例顔見世の
千穐楽でした!おめでとうございます!
今月の歌舞伎座で印象に残っているのはやはり「三人吉三巴白浪」
登場人物たちの因果が信じられないほど複雑に絡み合いながらも
ご都合主義的な荒唐無稽さよりも切なさや焦燥感の方が強く感じられる、
おもしろい芝居だなあとつくづく思いました。
特に印象深いのは梅枝さんのお嬢吉三のカッコよさでしょうか…
日頃、可憐な梅枝さんにあんなにも男性らしさを感じたのは初めてでしたので
女形や前髪の役とはまた違ったようす、あまりのイケメンぶりにドキドキしてしまいました…
これこそまさに歌舞伎ならではの楽しみなのだなあと
自分の中の新しい扉がゴゴゴと開いた感覚であります。
また御園座に遠征して、長らく念願であった仁左衛門さんの「引窓」を
生で拝見することができたのも大変うれしいことでした!
「引窓」はおなじ双蝶曲輪日記の「角力場」に比べますと、
なかなかに地味な味わいの芝居なのですが、南与兵衛は個人的に非常に好きな役柄です。
仁左衛門さんの南与兵衛の愛情深いようすにじーんと胸が温まり、
目頭を押さえる両手の美しさに涙しました…。
2019年はもう仁左衛門さんのお芝居を東京で拝見することは叶いませんで、
次に拝見できるのは京都の顔見世、それで今年の芝居納めか…と思いますと
なにやら早くもゆく年くる年気分で寂しいような思いがいたします。
気が早いですが、今年の残りの芝居、そして来年の芝居を心待ちにしております!