ただいま歌舞伎座で上演中の吉例顔見世大歌舞伎!
昼の部「梅雨小袖昔八丈」は「髪結新三(かみゆいしんざ)」の通称で知られ、
比較的上演頻度の高い人気の作品です。
今月は菊五郎さんの新三と左團次さんの大家さんという
ゴールデンコンビで上演されていて、初めての方にもぜひご覧いただきたい一幕です!
過去にお話したものがいくつかありますので、一つまとめてみます。
芝居見物のお役に立てればうれしく思います!
元ネタ「白子屋事件」
江戸時代の人々は現代と変わらずスキャンダルが大好きであったようで、
多くの芝居にスキャンダラスな元ネタがあります。
明治時代に生まれたこの髪結新三にももはや原形をとどめていない元ネタがあり、
そちらについてお話した回がこちらです。
ちょっとアレンジしすぎじゃないのかと突っ込みながらの見物も一興かと思います。
目には青葉 山ほととぎす 初鰹
髪結新三の素晴らしい点のひとつに「季節感の演出」の見事さがあります!
新三内の場面でそれを感じることができますので、ぜひご注目ください。
入墨者の新三
昨今、タトゥー問題が話題になっていますが、
日本に根付いている刺青の文化的背景についてごく簡単にお話したのがこちらの回です。
新三が豹変!「傘尽くし」の永代橋
白子屋の店先ではなにやら調子のよいことを言っていたはずの新三が、
ガラリと態度を変えて悪党ぶりを見せつけるスリリングな場面の舞台である「永代橋」について、
このすえひろの個人的な郷土愛を漏らしてしまった回がこちらです。
初鰹の価値とは?
芝居の中ではなにやら新三が初鰹を食べることをたいそう自慢にしていて、
大家さんも非常にうらやましそうにしているのですが、現代人にはなかなかピンときませんね。
どういった価値があったのだろうかということについてお話したのがこちらの回です。
世話物の演目はセリフがくだけていて聞き取りやすいため、内容が分かりやすいです。
江戸時代の風俗を知るとより楽しみが広がるという奥深さもあり、
噛めば噛むほど味わい深いジャンルだなあ…とつくづく思います!