歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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夜の部を見てきました 2019年11月

先日歌舞伎座へ出かけて吉例顔見世大歌舞伎の夜の部を拝見してまいりました!

今月はひとつひとつの演目が長く、体感的には非常にボリュームのある公演でありました。

備忘録として、少しばかり感想をしたためておきたいと思います。

 

一幕目の「鬼一法眼三略巻 菊畑」は、

梅玉さんの部屋子として長らくご活躍だった中村梅丸さんが養子となられ

初代中村莟玉を名のり披露なさるという、記念すべき幕であります!

立役で牛若丸をお勤めの莟玉さんは麗しく凛々しく、上品なたたずまい。

さすがは梅玉さんの元で修業なさった方であるな…と思いました。

品というのはおそらく技術で解決できるものではなく、最も難しいものなのではないかと思われますので、

莟玉さんの7歳から現在までの蓄積を想像し、感じ入った次第です。

劇中口上ではご家族のようなほのぼのとした雰囲気に包まれていて、

見ているこちらも大変あたたかな気持ちになりました。

今後のご活躍が本当に楽しみです!

 

続く「連獅子」は、昨年の襲名披露でも拝見した幸四郎さんと染五郎さんのご共演であります!

連獅子は、配役の背後にあるストーリーで感動できる演目の最たるものかと思います。

昨年はまだ幼さの残っていた染五郎さんがすっかり大人の体格に近づかれ、

勇ましさをぐいぐいと増しておられたように思いました…!ドキドキですね…!

このすえひろは女子高育ちでして10代の男性には疎いため、

染五郎さんくらいのお歳の男性の体型の変化たるや

すさまじいものがあるのだな…と驚きいった次第であります。

 

そして最後の「市松小僧の女」は、42年ぶりに上演される池波正太郎書き下ろしの秀作。

 

複雑な家庭の事情から剣術に打ち込んで男性のようなふるまいを見せる女性という、

大変複雑な役どころを時蔵さんがお勤めになり、

そんな女性が好きになってしまうのが年下のどろぼうで、

手癖が悪くてどうしようもない…でもこの人のほかはない…という、

新派好きのこのすえひろにとりましてはたまらないしっとり感のある芝居でした…!

どっぷりと浸って拝見いたしました…義理人情の世界もたまらないですね。

人の心は善悪白黒とはいかないものであり、情に揺れ動くものであると思います。

こういった濃いめの演目は好き嫌いがあると思うのですが、

42年といわず時折上演していただきたいなと願っております。

さらに欲をいえばタカラヅカでも拝見したいのですが…

いかがでしょうか…想像がふくらみます…!

 

昼の部・夜の部とも、どの幕もボリュームたっぷりで見ごたえがありました!

昼夜通しでご覧になる方は体力の配分に何卒お気をつけくださいませ。

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